■ 住宅会社との打合せで見落としがちな外部計画のコツを知りたい人
■ 家づくりで失敗や後悔したくない人
注文住宅での外部計画に関する失敗例は?
こんにちは!建築士のしみゆうです。
前回は、室内外の視線に関する失敗例について解説しました。
今回は、建物内部の間取りに気を取られて見落してしまうことの多い、外部計画に関する失敗例やコツについてご紹介しますね。
- 庭を広くしたかったので駐車スペースをギリギリにしたら、何度も切り返さないと自動車が駐車できなくなってしまった
- バルコニーの出幅を三尺(910㎜)にしたが、思っていたよりも狭くて洗濯物が干しにくい
- お風呂などの水回りから給湯器までの距離が長いので、温かいお湯が出るまでに時間がかかる
- 子どもが大きくなったら自転車の台数が増えてしまったので、置く場所に困っている
- 敷地の中心に建物を配置してしまったので、庭の広さが中途半端で使いにくい
- 勝手口の通路幅が狭いので、荷物を両手で抱えていると通りづらい
- エアコンの室外機が建物の正面にあるので、見栄えが悪い
- 駐車場の広さを新築時に乗っていた自動車の大きさに合わせてしまったので、大きい自動車に買い替えられない
- 建物の2面にベランダを設けたが南側しか利用することがないので、片方が無駄になってしまった
- 庭でのBBQに憧れてウッドデッキを設置したが、狭くて使いにくい
- 花火大会を見るためにコストアップを承知で屋上を作ったが、年に1回しか使わないので勿体なかった
特に、戸建住宅に初めて住む方は、適切な外部スペースの広さが分からないので、住み始めてから失敗に気付くことが多いようです。
すでに戸建住宅に住んでいる人の「失敗談」や「経験談」は参考になるので、耳を傾けることをおススメします。
外部計画での失敗を防ぐコツとは
では、戸建住宅の外部計画に失敗しないために、住宅会社との打合せで気を付けたい注意点とコツについてご紹介します。
- 家づくりの打合せでは間取りなどの建物内部ばかりに注目しがちだが、建物外部の使い勝手にも目を向けることを忘れない
- 建物外部での「家事動線」や「生活動線」についてのリハーサルを必ず行う
- 「子どもの成長」や「将来的なライフスタイルの変化」などにも対応できるように外部計画を検討する
- 建物外部にテーブルなどを設置する際は実際の縮尺で配置図面に書き込んで、「通路幅」や「使い勝手」を確認する
- 「給湯機」や「エアコンの室外機」などの外部設備の「見え方」を意識して「設置位置」にも気を配る
- 採用するために高額な費用のかかる仕様には、「使う頻度」や「コストパフォーマンス」などについての検討を怠らない
- 外部空間での行動をシミュレーションして、作業に必要なスペースの確保を忘れない
建物外部では荷物を持ちながらの行動も多いので、通路の幅は最低でも650㎜
以上を確保したいところです。
特に、家事などで頻繁に使う場所が窮屈だとストレスを感じやすいので、敷地に余裕がない場合は使用頻度にも注意して工夫することが、外部計画に失敗しないコツと言えます。
外部計画がおざなりな住宅会社には要注意!ーまとめ
「外部計画も住宅会社の設計担当者に任せておけば大丈夫!」と思われるかもしれませんが・・
安心する前に、念には念を入れて、必ず打合せ図面の確認を忘れないで下さい。
実は、住宅会社によっては外構工事を含めた外部計画を自社では行わずに、他社に委託しているケースも少なくありません。
何故かと言うと、外構工事は手間がかかる割に利益が取れないことも多く、専門業者からバックマージン(紹介料)を貰って丸投げした方がリスクが少なく、効率が良いことが多いからです。
そのような住宅会社の設計者は外部計画の経験も少なく、責任感もあまりないので、「素晴らしい提案」や「気の利いた工夫」にはあまり期待できません。
間取り図を見ると分かるのですが、「駐車場が狭すぎて自動車の出し入れがしにくい」や「勝手口の通路が狭い」「家事動線が悪い」など、少し考えれば防げそうな不具合を残したまま、平気で提案してくる業者も少なくありません。
もし、気付かずに工事を着工していまうと、取り返しのつかないことになりかねないので、
事前の間取りチェックだけでなく、外部計画のチェックでも気を緩めてはいけません。
くれぐれも、外部計画がおざなりな住宅会社には注意して下さい。
具体的な家づくりに関するご質問やご相談があれば、「お問い合わせフォーム」や「コメント欄」から問い合わせていただければ、
建築士の目から見たご返答をさせていただきます。
■ 戸建住宅の経験者の「失敗談」や「経験談」は役に立つことが多い
■ 外部計画の際は使用頻度にも注意すると失敗や後悔が少ない
■ 外部計画に積極的でない住宅会社には注意が必要