■ 完成現場見学会とモデルハウスの違いを知りたい人
■ 家づくりで失敗や後悔したくない人
どちらかと言えば、構造現場見学会より完成現場見学会の方が、将来のマイホームでの暮らしが想像しやすいので、参加したいという人が多いですもんね。
今回は、住宅会社の完成現場見学会について掘り下げてみましょう。
完成現場見学会とは
こんにちは!建築士のしみゆうです。
あなたは完成現場見学会と聞いて、どんな状況を思い浮かべますか?
もし、住宅展示場などにあるモデルハウスを思い浮かべたなら、別物と思って下さいね。
今回ご紹介するのは、住宅会社の宣伝のために作られたモデルハウスではなく、実際のお客さんの引渡し前の建物で行われる見学会のことなんです。
「えっ、どこが違うの?」と思われたのなら、今まで見た住宅展示場のことは一度忘れた方が良いかもしれません。
何故なら、「住宅展示場などにある住宅会社の宣伝用のモデルハウス」と「その住宅会社で実際に建てる建物」は大幅に仕様などが異なることが多いからなんです。
どういうことかと言うと、宣伝用のモデルハウスは、見学した人に「まあ、素敵!こんな家に住みたい。」や「やっぱり注文住宅は建売住宅とは違うなぁ。」と思ってもらえるように、
「最高級の仕様(グレード)」や「一般的な建物よりもゆったりとした広さ」で作られていることとがほとんどなんです。
なので、宣伝用のモデルハウスと同じような建物を建てようとすると、莫大な建築費が必要になりますし、
予算に合わせて「仕様」や「広さ」を変更すると、マイホームが完成した時に「こんなもんだったっけ・・」といったことになりかねません。
しかし、完成現場見学会なら実際にお客さんが建てた建物が見られるので、自分達のマイホームが想像しやすく、とても参考になるはずです。
なるほど、実際のマイホームは、住宅展示場のモデルハウスと同じもだと思わない方が良いんですね。
そうなんです。
もし、モデルハウスと同じ仕様の建物を建てるなら、その住宅会社の主力商品の1.5倍の建築費が必要と思っていた方が良いですよ。
特に、家づくりの知識が少ないうちに住宅展示場を訪れるなら、十分注意して下さいね。
えっ!!そんなに費用が違うんですね。
では、完成現場見学会では、どんなことに注意したら良いんですか?
「現実を知る前に、モデルハウスを見てテンションが上がってしまい、安易に契約してしまう」や「住宅展示場に入っている、2~3社だけを比べて住宅会社を決めてしまう」というのが、はじめての家づくり良くある失敗なので。
そんなに慌てずに、しっかり情報収集してから見学会に参加することが大切ですね。
現場完成見学会で「確認しておきたいこと」と「注意したいこと」
現場完成見学会では、下記のことに注目して見学を行って下さい。
※合わせて、少しだけ具体例を挙げておきます。
- 部屋の間取りと生活動線・・自分達の日頃の生活パターンを当てはめて、どんな間取りが使いやすいか想像してみる。
- 使用されている設備機器(キッチン・お風呂など)・・住宅会社の標準仕様がどんなものか確認しておく。
- 使用されている建材(部屋の扉・アルミサッシなど)・・標準仕様からグレードアップすると、どんな仕様になるかを確認しておく。
- 階段の幅や登りやすさ・・子供やお年寄りでも、上り下りしやすいかを確認しておく
- 隣家の窓との視線・・設計者が隣家との目線に気をつかっているかを知ることが出来る
- 部屋と部屋との段差・・少しの段差でも、住み始めると気になる事があるので確認しておく
- 廊下やキッチンの広さ・・人がすれ違っても窮屈でないかを確認しておく
といったように、自分達が暮らすことを想定して見学すると、マイホームが完成してから後悔する可能性が下がりますし、
もし、自分達家族に合わない部分があっても、解消可能かを住宅会社の担当者に確認することも出来ます。
特に、隣家の窓からの視線に注意しておくと、住宅会社の設計士の配慮がよく分かります。
(中には、建物の設計をするのに、現場を訪れない設計士もいます。
建物の設計の際に「隣家の窓の位置」や「近隣の状況」の確認を行わないで間取りを考えると、「打合せ中」や「工事中」は気付かなくても、住み始めると不具合に気付くことが多いので注意する様にして下さいね。)
余りにも隣家の目線が気になる場合は、「透明ガラスをすりガラスにする」や「目隠しを設置する」といった対応が必要になることもあります。
それと、小学校低学年未満の子供連れでの見学会の参加は、おススメ出来ません。
何故かと言うと、目新しくて広い建物は大人でなくてもテンションが上がってしまうので、どうしても「はしゃいだり」「走り回ったり」してしまいますし、見学会が長時間になると「飽きてしまったり」することが多いので、
せっかく確認したい事があっても、子供に気を取られて集中できなかったり、担当者に質問できなかったり、ということが多いからです。
「隣の家」や「近隣の状況」に注意しておけば、設計士の配慮まで分かるんですね。
見学会では建物の仕様などにばかり注目しがちですが、
隣家に対しての「設計」や「工事」の配慮を確認しておくと、マイホームに住み始めてからの思わぬ不具合を防げるかもしれないので、気を付けて見ておくことをおススメします。
完成現場見学会では図面で分からない部分に注目するーまとめ
完成現場見学会で体感できる建物は、住宅展示場のモデルハウスとは違い実際のお施主さんが生活を行う場所なので、建物の中ばかりに気をとられるのではなく、「隣家」や「近隣」に対する住宅会社の配慮にも注目しておきましょう。
なので、前回の構造現場見学会と同じように、ご近所の方に工事中の出来事を聞くことをおススメします。
住宅会社によっては構造現場見学会を行わないこともありますし、住宅会社に対する公平な意見を聞ける機会は少ないので、恥ずかしがらずにご近所の方に声をかけてみましょう。
それと、見学会に参加する際は必ず、寸法を測るためのメジャーを持参しましょう。
気の利いた住宅会社の場合は用意してくれることもありますが、メジャーがなくては「廊下の幅」や「キッチン周り」などを測ることが出来ません。
注文住宅でのよくある失敗に「帯に短し襷に長し」というような距離に関するものがあります。
どういうことかと言うと、注文住宅は自由度が高く、一般的に使い勝手が良いと言われている寸法を簡単に変更できてしまうので、「住んでみたら使いずらかった」ということがよくあるんです。
キッチンで例えると、「キッチンのシンク」と「カップボード」の間の距離は、広すぎると作業効率が悪くなってしまいますし、狭すぎると2人で作業する際にすれ違う事が困難になってしまいます。
そうならない様に、見学会で寸法を測っておけば、帰ってからも使い勝手を想像しやすいですし、
日頃は1人で使うことが多いのか、2人で使うことが多いのかを、間取りの打合せの際に設計士に伝えていれば、適切な幅をアドバイスしてもらうことも出来るので覚えておいて下さいね。
最後に、メジャーを用意する際は建物に傷を付けない様に、金属製ではなく、「布製」か「紙製」のものを用意すると良いと思います。
(金属性のメジャーで寸法を測ると、建物に傷をつけてしまうかもしれません。
他にも、完成現場見学会では薄い手袋をすると良いですね。)
完成現場見学会は建て主の方の好意で開催していることが多いので、お家に対する配慮を忘れないで下さいね。
せっかくですから、住まいに関する質問をまとめておきましょう。
ノートに理想のマイホーム像を書き込んでおくのもイイですね^^
■ 完成現場見学会は実際のお客さんが建てた家なので、参考になりやすい
■ 完成現場見学会では、日頃の「生活パターン」や「動線」を意識して見学する
■ 自分達の要望と違う部分は、変更可能か確認することが大切