【住まいの温熱環境の実態】マイホームの満足度を高める方法
こんな人におススメの記事です!
■ 住まいの温熱環境に興味がある人
■ 暮らしやすく満足度の高いマイホームを手に入れたい人
■ 家づくりで失敗や後悔したくない人

こんにちは!建築士のしみゆうです。

突然ですが、「あなたは住まいに何を求めますか?」と聞かれたら、何と答えますか?

もちろん、答えは一つではないでしょう。

それに、人の「価値観」や「感じ方」は、これまでに暮らしてきた「環境」や「経験」に強く影響されるので、「広さ」や「設備機器の充実」「近隣環境」など、人によって様々な答えがあるハズです。

 

まず、自分が何に対して「価値」を感じるかを理解しておき、それを満たせれば、意外と簡単に「高い満足度」を得ることができるので、家づくりもそれほど難しくないのですが、

「一生に一度あるか、ないか」と言われる家づくりでは、初めての経験も多く、新居で暮らし始めてから気付く「失敗」や「後悔」も少なくありません。

今回は、暮らし始めてから気付きやすく、だからこそフォローの難しい、建物の温熱環境についてまとめてみました。

住まいの温熱環境に対する満足度は?

住いに対する満足度と温熱環境に対する満足度の比較
引用:https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2017/pdf/co170630.pdf

上の写真は、2017年に旭化成グループが発表した「住いの温熱環境の実態と満足度」に関するデータです。

「住まいの総合満足度」を見ると、半数以上の人達がマイホームでの暮らしに満足しているのですが、「温熱環境満足度」となると、かなり下がっているのが見て取れます。

ですが、地域別に分けると、意外なことが見えてくるんです。

地域別の住まいの温熱環境満足度を見ると意外なことが分かる
引用:https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2017/pdf/co170630.pdf

普通に考えると、「朝晩」や「季節」による寒暖差の激しい、「暑い地域」や「寒い地域」の温熱環境に対する満足度が低くなるように思えますが、

実際はそれと逆で、「北海道」や「福岡県」に比べ、「阪神圏」に住む人達のほうが「住まいの温熱環境」に対して不満を抱いていることが分かります。

 

これは、「暑い地域」や「寒い地域」に住む人達のほうが事前に「温熱環境の優れた住まい」を求めており、

建物を供給する住宅会社側もその要望に応えるため、「温熱環境の優れた住まい」に力を入れていることを示しているんです。

 

しかし、比較的に暮らしやすいといわれている阪神圏などでは、その地域に住む人達の温熱環境に対する関心が薄く、

更に、住宅会社の「温熱環境に対する取り組みが足りていないことの表れ」と言えるのではないでしょうか。

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温熱環境が悪いと起こる弊害

季節別の温熱環境の影響で使いたくない部屋やスペースとは
引用:https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2017/pdf/co170630.pdf

では、温熱環境が劣ることで生じる弊害の一つである、「使いづらい部屋」や「使いたくないと感じる部屋」とはどんなものでしょうか。

まず、「夏」や「冬」といった季節の変化に大きく左右されるのですが、

夏場は、「寝室」や「居間・食堂」など、「長時間過ごす部屋」に対しての不満が多く、

冬場は、「洗面室」や「浴室」など、「短時間だけ利用する部屋」に対する不満が多いことが分かります。

 

上記のデータを見ても分かるように、家づくりの際に「快適なリビング」や「解放感のある吹き抜け」だけに力を入れてしまっては、冬場に不満を感じやすくなってしまうので、

設備機器だけに気を取られがちな、「浴室」や「洗面所」などの温熱環境にも配慮しておかないと、一年を通して高い満足が得られるマイホームを手に入れることは困難になってしまうでしょう。

 

更に、昨今は超高齢化社会が進んでおり、「洗面室」や「浴室」でのヒートショック(温度差による急激な血圧変化)による死亡事故が問題視されています。

東京都健康長寿医療センター研究所(東京都老人総合研究所)の発表によると、平成27年度の交通事故による死亡者数は4,117名だったのですが、その4倍以上の約17,000名がヒートショックによって命を落としていることが分かっており、

家族の命を守るためには、「洗面室」や「浴室」などの温熱環境の改善にも配慮を忘れず、温熱環境にも力を入れた家づくりを考えたいところです。

温熱環境を充実させることで得られる効果は?

住まいの温熱環境を良くするととで生まれる効果とは
引用:https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2017/pdf/co170630.pdf

次に、温熱環境の改善によって得られる効果についてですが、

全体の約68%の人が、温熱環境がよくなると「気持ちや身体にいい影響がある」と答えており、中でも女性の約70%が温熱環境がよくなると「行動量が増える」と答えています。

 

家庭での家事を担うことが多い女性の行動量が増えれば、新たに手に入れたマイホームでの生活に華やかさが加わるでしょうし、

温熱環境の改善によって薄着で過ごせると、「開放感UP」や「スキンシップの向上」に効果があり、昨今問題になっているセックスレス化を防ぎ、夫婦円満に繋がると言われています。

温熱環境のいい住まいにできない理由とは?

【築年数別】温熱環境の良い家にできない理由
引用:https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2017/pdf/co170630.pdf

このように、住まいに対しての不満を減らし、夫婦円満にも一役買ってくれる「温熱環境のいい家」ですが、実際に手に入れられた方は少数のようです。

「温熱環境がいい家」を手に入れられなかった理由には、一体どんなものがあるのか、建物の築年数別に見てみましょう。

 

まず、築21年以上経っている住まいでは、全体の半数以上が「温熱環境のいい家が、建設当時世の中になかった」と答えており、そもそも当時は温熱環境のいい家を手に入れること自体が困難だったことが分かります。

とは言っても、「築11~20年」「築0~10年」と現在に近付くにつれて、「温熱環境のいい家が、建設当時世の中になかった」という意見が減っていることでも分かるように、建築技術の進歩により、今では温熱環境のいい家を手に入れることはそれほど難しくありません。

 

ですが、残念なことに「築0~10年」の建物に住む人達でも、「温熱環境」及び「温熱環境のいい家」について「知らなかった」や「重視していなかった」という理由で、「温熱環境のいい家を購入できなかった」と感じており、

「住まいの温熱環境に対する認知度」は、まだまだ低いように思います。

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温熱環境の良否を見分けるために知っておきたいことーまとめ

温熱環境を見極めるために知っておきたいこと
引用:https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2017/pdf/co170630.pdf

では、「温熱環境のいい家」を手に入れるためのポイントとして、一体どんなことに気を付ければよいのでしょうか?

そんな疑問に対する答えとして、まずは「基準を持つ」ことが大切だと思います。

 

と言うのも、いくら住宅会社の営業マンに「我社の家は断熱性能が非常に優れていて、とても暮らしやすですよ。」などと言われても、

基準がなければ「何に比べて、どの程度優れているのか」を理解することはできません。

 

そこで知っておいて欲しいのが、建物の温熱環境に関する用語です。

「Q値(熱損失係数)」「C値(隙間相当面積)」「UA値(外皮平均熱貫流率)」などの用語なのですが、

簡単に言うと、それぞれの数値は建物の温熱環境に関係する性能を表しており、「数値が小さければ小さいほど温熱環境に優れている」ということを示します。
※それぞれの数値について詳しく説明すると長くなってしまうので、また別の機会に紹介させていただきます。

 

ただし、ここが最も難解なニュアンスになるのですが、温度に対する感じ方は個人差が大きく、これまでに暮らしてきた家の温熱環境によっても大きく変わります。

例えば、RC(鉄筋コンクリート)で作られた建物(特にマンションの外部に面していない部屋)は、「Q値」「C値」「UA値」の数値が低く、温熱環境に優れています。

しかし、温熱環境に配慮していない「木造」や「鉄骨造」の建物(一般的な戸建住宅)は、それぞれの数値が高いので、お世辞にも温熱環境に優れているとは言えません。

 

なので、今までマンションに住んでいた人が一般的な戸建住宅に住み始めると、「温熱環境の満足度」は下がりやすい傾向にあり、逆に戸建住宅に住んでいた人がマンションに住み始めると、「温熱環境の満足度」がUPすることがほとんどです。

それに、マイホームを購入するとなっても、購入前に実際に住んで体感することなんてできません。

 

しかし、家づくりの満足度に直結しやすい温熱環境を「一生に一度かもしれない、マイホームの購入」で、おざなりにしていいハズがありません。

なので、「現在マイホームの購入を計画されている方」や「これからマイホームの購入を検討されている方」は、温熱環境に対する配慮も忘れずに家づくりを進めて下さいね。

今回の問題解決と総まとめ
■ 住まいの温熱環境をおろそかにすると、マイホームに対する満足度が下がりやすい
■ 意外と「寒い地域」や「暑い地域」以外で、温熱環境への配慮が見逃されている
■ 温熱環境のいい家は行動量が増え、家庭円満に繋がりやすい
■ 温熱環境の良否を見分けるためには、基準を持つことが大切
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