■ 注文住宅での「変更」や「追加」について知りたい人
■ 家づくりで失敗や後悔をしたくない人
こんにちは!建築士のしみゆうです。
ブログの読者さんから「マイホーム上棟後の窓の変更」に関するご質問を頂きました。
ご相談者の方には直接メールで返信させていただきましたが、同じような悩みで困っている方もいらっしゃるでしょうから、ブログでも紹介させていただきたいと思います。
実際に工事中のマイホームを見ると、「ココをこうしておけばよかった・・」と感じることってありますよね。
今回のご相談のように、マイホーム工事中の「変更」や「追加」は一刻の猶予を争う問題です。
少しの行動の遅れが変更の可否を左右しかねないため、取り急ぎ下記のように返信いたしました。
しみゆうからのアドバイス
ご質問ありがとうございます。
お急ぎなようなので、簡単にご説明しますね。
技術的には上棟後まもなくであれば、それほど工事に支障をきたすことなく、窓をなくすことが可能です。
しかし、戸建住宅では建築基準法により、各部屋の採光(明るさ)に関する最低基準が定められているため、
窓をなくしたことによって、採光の最低基準を上回っていることを確認し、建築確認申請の変更届を提出する必要があります。
(変更届を出したからといっても、法で定められた条件をクリアできていなければ、変更は認められませんので、ご注意ください。
しかし、状況によっては裏技もあるのですが、対応するかどうかは住宅会社の判断にゆだねられるので、あえて控えさせていただきます。)
もし、変更届を提出しないで窓をなくしてしまうと、建物の完成時に行う完了検査に合格できず、検査済証が貰えないかもしれません。
なので、住宅会社に窓の変更ができるかどうかを確認するだけでなく、変更届を出してもらうようにお願いすることも大切です。
たぶん、追加費用の話になると思います。
それと、住宅会社によっては、変更届を出さずに工事できると返答するかもしれませんが、違法になってしまう可能性が高いので、
変更届を出さずに変更することは、おススメしません。
もう少し詳しい情報が必要なら、またメールくださいね。
今回のご相談は、一刻の猶予を争う危険性が高く、急いで返信したので、言葉足らずの部分が多かったと反省しています。
というのも、工事中の「変更」や「追加」は、工事が進めば進むほど困難になることが多く、もし可能であっても追加費用が膨れ上がってしまうことも少なくないのですが、
最終的に「追加」や「変更」工事を受け付けるかどうかは、住宅会社の判断にゆだねられるからです。
なので、もう少し詳しく説明しますね。
「変更」や「追加」が可能かは住宅会社の判断次第!?ーまとめ
ご相談の返信時には詳しく触れませんでしたが、
建物の工事中の「変更」や「追加」は、たとえ技術的に可能であっても、必ずしも住宅会社が対応してくれるとは限りません。
というのも、建物の工事は様々な工種が複雑に絡み合っているので、部分的に少し変えるだけでも思わぬ部分に影響が出てしまうことは珍しくないんです。
特に工事中の「変更」や「追加」はイレギュラーになってしまうため、「施工ミス」や「工期の遅れ」「完成後の不具合」などの危険性が高まるので、通常の工事に比べると様々な配慮が必要になります。
このような理由もあり、住宅会社によっては、「建築確認申請後」や「基礎工事着工後」などのタイミングで、建物に関する「変更」や「追加」を閉め切ってしまい、その後は一切受け付けないことだってあるんです。
これは住宅会社の規模による傾向も強く、大手のハウスメーカーほど対応が鈍重で、中小の「工務店」や「設計事務所」になるほど協力的なことが多いのですが、
他にも、プレハブ工法のように工場で製作する部位が占める割合が多い建物ほど対応が難しく、木造在来工法のように現場での工程が多い建物ほど対応しやすい、というような建物の工法による違いもあります。
「注文住宅なんだから技術的に可能なことなら対応して当たり前」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、
こればっかりは、住宅会社の「経営方針」や「取り決め」によるところも大きいので、「マイホームを建ててくれる住宅会社の判断次第」と言わざるを得ません。
とは言え、もし工事中のマイホームでの「変更」や「追加」を思い立ったら、一刻も早く住宅会社の担当者に連絡するように心掛けましょう。
何故かというと、工事中の「変更」や「追加」によって起きる出来事は、工事の進捗状況などに大きく影響するので、少しでも早い段階で依頼することが非常に大切なんです。
極端な例を挙げると、「昨日までなら部材をカットしていなかったから、まだ簡単に変更できたけど、今からやり直すとなると部材の発注が必要なので、1週間後まで工事が進められない」なんてこともあります。
理想を言えば、工事着工後の「変更」や「追加」は、建物の「工期」や「完成度」に影響しやすいので、無いに越したことはありません。
しかし、たった1日の連絡の遅れが「可能かどうか」や「追加工事の費用」に大きく関わることもありますし、
「変更」や「追加」を言い出さなかったことで、マイホーム完成後に後悔が残ってしまっては、新居での新しい暮らしが憂鬱なものになってしまっては大変です。
たとえダメもとでも、できるだけ早く住宅会社の担当者に相談してみましょう。
相談が早いか遅いかによって、住宅会社の返答が一変することも珍しくありませんよ。
ご丁寧に、本当にありがとうございました。
ハウスメーカーに確認しましたところ、追加料金はかかりますが、変更できるとの事でした。
採光は問題なく、建築確認申請も、軽微な変更で大丈夫だそうです。
ハウスメーカーから、どんな窓がつくのか説明もなく、立面図やパースでの提示もいただけず、時間がなく間取りに気がとられてしまって、サイズなど確認するのを怠ってしまいました。
ハウスメーカーに任せてしまって、しっかり確認していなかったので、どの部屋も、大きめの窓で、今になってびっくりしているところです。
建築中で、早速、後悔してしまい情けないです。
それから、屋根も太陽光パネル6.4kwを載せるために、招き屋根になって、高さ9mになり裏のお宅の日当たりに影響がでて、胸が痛みます。
こちらも説明がなく、建ってみて初めて気付きました。切妻屋根で載る分だけのパネルにしたかったです。
もう今更遅いのですが、素人で勉強不足の人が、不親切なハウスメーカーに任せてはいけませんね。反省しています。
長々と失礼しました。ありがとうございました。
ご丁寧にお返事までいただき、ありがとうございました。
建築中の新居の採光に問題なく、「軽微な変更」で対応できてよかったですね。
建築確認申請の「計画変更」の提出が必要だと、申請費用だけでなく、余分な時間がかかってしまうこともあるので、工期の延長を余儀なくされることも珍しくありません。
勇気を出して変更をお願いしたことは、新しいマイホームに住み始めてから、後悔を残してしまうよりも、ずっとイイ選択だったと思いますよ。
ただ、屋根の件は少し残念でしたね・・
初めての家づくりでは、「住宅会社の説明」や「建築図面」だけでは理解しきれないことも多いでしょうから、建築工事が始まってからでも間に合う部分はたくさんあるので、「知らないこと」や「疑問に思ったこと」は恥ずかしがらずに質問するように心掛けておきましょう。
もし、住宅会社の担当者に聞きにくいことであれば、遠慮なく相談してくださいね。
■ 「追加」や「変更」が可能かどうかは、最終的に住宅会社の判断次第
■ 変更に関する依頼のタイミングは、「変更の可否」や「追加費用の増減」に大きく影響する
■ 着工後の変更は無いに越したことはないが、後悔しないように早目の相談を心掛けよう