※この記事では、一生賃貸住宅で暮らすために必要な、老後借家に困らないについて詳しく解説しています。
こんにちは!建築士&FP技能士の清水裕一(しみゆう)です。
賃貸住宅と持ち家、どちらにするか迷っていませんか?
今後のライフプランを見直し、望む暮らしを実現するためのきっかけになれば嬉しいです。
■ マイホームを購入するか、家賃を払い続けるか、迷っている人
■ 家づくりで失敗や後悔したくない人
以前、「マイホームの購入に必要な総費用」と「一生賃貸住宅で暮らすために必要な総費用」を比較したのですが、生涯収支で比べると、マイホームを購入した方が得という結果になりました。
もちろん、お金だけが全てではありませんし、賃貸住宅に住み続けることで持ち家にないメリットを得ることが可能です。
しかし、賃貸住宅にしかないメリットを得続けるには、それなりの準備をしておかないと、後で取り返しのつかない「失敗」や「後悔」をしてしまうかもしれません。
それに、「備えあれば患いなし」という諺(ことわざ)があるように、何事も準備をしておけば、将来に対する不安も和らぎますからね。
では、一生賃貸住宅で暮らし続けるために、「これさえ準備しておけば安心」という2つのポイントについてご紹介していきましょう。
家賃を支払い続ける準備
近年、終身雇用制度が崩壊し、「定年時の退職金」や「老後の年金支給額」にも期待できない時代になってしまいました。
一説では、今の子育て世代が年金を貰う頃には、年金だけでは「食費や光熱費をまかなうのが精一杯」になるともいわれています。
それが本当なら、年金以外からも住居費用を捻出しなければ生活が成り立ちません。
『マイホームを購入しても住宅ローンが残っていたら、負担は同じでは?』という声が聞こえてきそうですが・・
退職前に住宅ローンを完済する方々と比べると、退職後の住居費用の負担が大きく違うのは明らかですし、住宅ローンは家賃と違い、生涯払い続けるわけではないので、完済後には住居費用の負担が大幅に減少します。
しかし、一生賃貸住宅で暮らすなら、「月々の家賃の支払いから逃れる術」は存在しません。
もちろん、既に将来に対する不安のない「収入」や「貯蓄」があったり、親からの遺産などの相続が期待できるのなら、無用の心配かもしれません。
もしそうでないのなら、家賃を支払い続けられるだけの「収入」や「貯蓄」の準備をし、「年金だけでは暮らしていけない時代」に備えておかないと、一生賃貸住宅に住み続けられないかもしれませんよ。
連帯保証人の準備
「老後は広い家も必要ないし、家賃の安い物件に住み替えれば金銭的な負担が小さくなるから大丈夫。」と考えている賃貸派の方も多いのですが、一つ気を付けておかないといけないことがあります。
それは、賃貸住宅を借りるためには「連帯保証人が必要」ということです。
若いうちは交友範囲も広く、「両親」や「親戚」「知人」などの「連帯保証人をお願いできる人」がたくさんいるかもしれません。
ですが、年齢を重ねて仕事を引退する頃になると、「連帯保証人をお願いできる人」が限られてしまうのが大半ですよね。
それに、現在の住居に住み続けるつもりでも、将来的には建物の建て替えなどにより、予期せぬ住み替えを迫られるかもしれません。
なので、一生賃貸住宅で暮らすつもりなら、「連帯保証人をお願いできる人」を確保しておくことが非常に重要な項目となります。
連帯保証人は自分よりも若い人が理想なので、お子さんがいらっしゃらない方は、「甥」や「姪」といった親戚との人間関係を大切にするように心掛けておきましょう。
中には、「連帯保証人が見つからなくても、保証会社があるから大丈夫。」と思っている方がいるかもしれません。
しかし、保証会社を利用するには、家賃の「半月分」や「一ヶ月分」といった保証料が必要になりますし、費用の問題がなくても、保証会社の審査をクリアできなければ、賃貸住宅を借りることができません。
保証会社の審査には、「収入に対する家賃の支払い比率」や「職種」「年齢」「転居の理由」といったものがあり、審査基準に達していない場合は、連帯保証人が必要になることも少なくないんです。
ということは、「連帯保証人をお願いできる人」がいなければ、「一生賃貸住宅で暮らすこと自体が困難になる可能性が高い」といわざるを得ません。
たった2つの準備で一生賃貸でも問題ナシ!?ーまとめ
『そんな先のことまで考えておかなくても、なんとかなるよ。』と、お考えの方もいらっしゃるとは思います。
もちろん、将来の社会制度がどうなるかは誰にも分かりませんし、もしかしたら、お金の心配のない時代が来るかもしれません。
ですが、誰も将来に対する心配をしていなかった高度経済成長期は44年前のことですし、バブルの崩壊からは26年しか経っていません。
それに、現在のように「少子化」や「超高齢化社会」に突き進んでいる日本では、楽観的過ぎる考えでいると、「豊かな老後」を過ごすことが難しくなりそうなのは容易に想像できますよね。
すでに、一生賃貸住宅で暮らすには、マイホームを購入する以上に将来の「収入や貯蓄・連帯保証人の準備が必要な時代」に突入しています。
ですが、しっかりとした準備さえすませておけは、「一生賃貸」「持ち家」にこだわる必要はありません。
自分達家族のライフスタイルを見据えた上で、多くのメリットが得られる住居形態を選択してくださいね。
■ 予期できない住み替えに備えるためには、連帯保証人の確保が大切
■ 上記の2つの条件がクリアできるなら、一生賃貸住宅でも心配ない
■ 賃貸住宅には、持ち家にないメリットがある