■ 良い住宅会社を見極めるための手順や方法を知らない人
■ 住宅会社選びの具体的の基準が分からない人
■ 家づくりで失敗や後悔したくない人
こんにちは!建築士のしみゆうです。
家づくりで、ここさえ間違わなければ「満足出来るマイホームが手に入る」と言っても過言では無いことがあります。
何だと思いますか?
答は、「住宅会社選び」です。
何故かというと、住宅会社はあなたの家づくりを共有するパートナーとなるので、住宅会社に満足出来なければ、家づくりの満足度もそれだけ下がってしまうんです。
それに何と言っても、全ての住宅会社の力量は同じでは無いので、完成したマイホームには住宅会社の力量が色濃く出ますし、住み始めてからのトラブルの発生率も段違いです。
残念ですが、住宅会社の腕の良し悪しは、あなたが思っているよりもずっと差が大きいんです。
今回は、初めてでも最高の家づくりが出来るように、自分達の要望が叶えられる住宅会社を選ぶために必要な「具体的な基準」や「比較方法」について解説します。
住宅会社の実力差が建物の完成度に直結する理由
まずは、何故そんなに住宅会社の良し悪しにこだわるのかをお話しましょう。
具体的なことで言えば、
まず、住宅会社を支える職人さん達の「現場力」や設計士の「提案力」が違えば、同じ土地に同じ材料を使っても建物の完成度は全く違います。
それは、家づくりに精通している者なら、建物に足を踏み入れた瞬間に出来栄えが分かるくらい違います。
(私も若い頃に、上司に同じことを言われて信じられなかったのですが、様々な経験を積んだ現在では違いが分かるようになりました。
言い表しにくいのですが、「腕の良い住宅会社や職人さんが建てた家」と「そうでない家」は、外観を見たり、建物に入った時に感じる「一体感」や「整然さ」が全く違うので直ぐに分かるんです。
※信じられないかもしれませんが、本当です。)
それに、住宅ローンなどのお手伝いをしてくれる営業マンの「サポート力」にも、家づくりの満足度はかなり左右されます。
ですが、先程も申し上げたように、残念ながら住宅会社の力量には天と地ほどの差がありますし、しかも簡単に見分けることが出来ないんです。
なので、家づくりにまぐれはありません。
どういうことかと言うと、
住宅会社の力量を100点満点で判断するなら、40点の住宅会社がいくら頑張っても50点ほどの建物しか出来ませんが、80点の住宅会社が少しくらい失敗しても75点の建物が出来上がります。
その理由は様々ですが、「経験不足」や「勉強不足」であったり「家づくりに対する心構え」であったりします。
あなたが住宅会社を選ぶなら、平均点が「40点の住宅会社」と「80点の住宅会社」のどちらが良いですか?
もちろん、「80点の住宅会社」を選びますよね。
では、「80点の住宅会社」を選ぶためには、どうすれば良いのでしょうか。
住宅会社を比較するために必要な具体的な基準とは
住宅会社の実力は、一つのことだけに注目していては見破ることは出来ません。
何故かと言うと、建物は「知識」や「技術」などの様々な要因で作られているからです。
なので、それぞれの要因を一つ一つ比較しないと、住宅会社の本当の実力を見極めることが出来ないんです。
そして、比較するためには基準が欠かせません。
なので、住宅会社の実力を簡単に比較できるように「家づくり成功の要因」を11の項目に分けてみました。
※もっと具体的な内容が知りたければ、今後の記事に取り上げますので参考にして下さい。
※私なりに感じている「家づくり成功の要因」を例として上げてみましたので、あなたのこだわりを追加して、更に選びやすい住宅会社の査定表を作って下さい。
住宅会社の信用力
- 会社の将来性・・進化や工夫をしているか・社員は前向きか・トラブルを抱えていないか
- 会社の経営状態・・経営基盤はしっかりしているか
- 会社の雰囲気・・事務所や打合せ室の雰囲気や見本品の展示などは良いか
- 会社の清潔感・・事務所などの掃除は行き届いているか
- 社長の理念・人柄・・共感できるか(特に中小の住宅会社は社長の考えで対応や重視する内容が異なる)
- 契約書や仕様書などの書類・・建物図面や契約書・見積書などの必要書類の形式や内容は良いか
- 決定事項の書面化・・契約や決定事項は覚書などの書面で交わしているか
- 会社のうわさ・・引き渡し後の対応や建物に対する悪いうわさは無いか
住宅会社の社員力
- 担当者との相性・・言葉遣いや態度・信頼度・人間的な相性は問題無いか
- 社員の知識・経験・情熱・・話の内容から知識や経験・情熱が感じられるか
- 社員の接客態度・・自分だけでなく他の人への対応は良いか
- 社員の離職率・・離職率は高くないか
- 社員のうわさ・・悪いうわさは無いか
プラン・デザイン力
- 間取りの自由度・・要望通りの間取りが実現可能か
- あなたの好みとの合致度・・自分達の好みと合っているか
- 外観資材の自由度・・好みの外壁材や屋根材などが使用出来るか
建物の性能(構造)
- 基本構造・・好みの構造(木造・鉄骨造・RC造)が得意としているか
- 接合部などの工夫・・不具合の起こりにくい取り合い部(接合部)に工夫しているか
- 耐震等級・・耐震等級は2以上を実現可能か
- 省エネ基準・・省エネ基準を満たす事が出来るか
耐震性能を数値化したもの、1~3の数値で表される
建築基準法の数値を1とし、2等級は1.25倍、3等級は1.5倍となる
平成25年から導入された、建物全体でエネルギー消費量を減らすための規準
この基準をクリアすると、減税や住宅ローン(フラット35)などの優遇制度がある
建物の性能(断熱・気密など)
- 断熱性能・・断熱性能に感心が高いか(Q値が1.5以下)
- 気密性能・・気密性能に関心が高いか(C値が3.0以下)
- 遮音性・・遮音に対する工夫や認識があるか
建物の断熱性を表す数値、低い程良いとされる
基準は2.7以下だが、力を入れている施工の場合は1.0以下も可能
※窓の種類に大きく影響されやすい
建物の気密性を表す数値、低い程良いとされる
基準は5.0以下だが、力を入れている施工の場合は2.0以下も可能
建物の仕様(設備機器など)
- 設備機器の好みの合致度・・キッチンやユニットバスなどが好みに合っているか・太陽光発電やセキュリティシステムなどの要望に対応可能か
- 建材の好みの合致度・・窓枠や建具(ドア等)・カウンターなどが好みに合っているか
- その他の好みの合致度・・自然派材料(漆喰・塗料など)や内装資材が好みに合っているか
- 内装資材の自由度・・仕様書に好みの資材が無い場合の対応度・施主支給は出来るのか
建物のコスト(費用)
- 建物全体のコスト・・要望を予算内で実現可能か・割高ではないか
- 設備機器などのグレードアップ時のコスト・・基本仕様からのグレードアップ時の価格は妥当か
- 見積りの詳細度・・一式見積りではなく詳細が分かる見積りか・疑問にきちんと答えてくれるか
プランを考える設計士
- 相性・・言葉遣いや態度・信頼度・人間的な相性は問題無いか
- 提案力・・きちんと要望を聞き取り、要望の実現や解決策の提案は出来ているか
- 対応の早さ・・質問や約束事に対しての返答が遅くないか
建築現場の現場監督
- 相性・・言葉遣いや態度・信頼度・人間的な相性は問題無いか
- 統率力・・職人さんからの信頼や現場変更時などの段取りは上手く出来ているか
- 対応の早さ・・質問や約束事に対しての返答が遅くないか
建築現場の職人さん
- 技術力・・担当する職種(基礎・大工など)の腕は良いか
- マナー・・言葉遣いや挨拶・服装・無駄口は問題無いか
- 現場の清潔感・・現場の清掃の行き届いているか(腕の良い職人さんは現場もきれい)
アフターサービス
- 定期点検・・完成後の定期点検はどの程度か(3ヶ月目・1年目・2年目が理想)
- 不具合発生時の対応・・迅速さや丁寧さは問題無いか
- 過去の症状の蓄積・・不具合の知識はあるか・不具合を無くす工夫はしているか
「住宅会社の実力を11項目に分析」についての詳細へは、下記のリンクから移動できます。
理想のマイホームに必要な項目に優先順位を付ける
しかし、全ての項目が満点の住宅会社を見つけることは非常に難しいでしょう。
もし、見つかったとしても途方もない「時間」も「労力」がかかってしまいますし、全てが満点の住宅会社なんて存在しないかもしれません。
なので、先程の「11の項目」に、自分達の家づくりに必要だと感じる順番で優先順位を付けて下さい。
そして、優先順位の高い項目を中心に、出来るだけたくさんの項目を満たす住宅会社を選びましょう。
何故かというと、
人によって理想のマイホームに求める要望は違います。
しかし、どんな人の要望にも応えられる住宅会社なんてありません。
なので、あなた達家族の要望に応えられる住宅会社を見つけることが大切なんです。
そして、パートナーに選んだ住宅会社が「弱いと感じた項目」については、その住宅会社との家づくりが始まってから、出来るだけ注意して確認する様にして下さい。
そうすれば、住宅会社の実力以上のマイホームが建てることが出来ます。
※もちろん、出来るだけ実力の高い住宅会社を選んで下さい。
何事も完璧を求めると前に進めなくなってしまい、結局何も出来なくなってしまいます。
それに、足りない部分を補い合えば完成度は上がりますし、満足度もアップしますよ。
自分達の理想が叶う住宅会社を選ぶ方法とはーまとめ
最後に、自分達の理想が叶う住宅会社を選ぶためには、たくさんの住宅会社を知ることが大切です。
何故かと言うと、
家づくりで失敗や後悔してしまった人の多くは、少ない住宅会社の中からパートナーを選んでいることが多いんです。
(候補が少なくても、その中に理想が叶う住宅会社が入っていれば良いのですが、入っていなければ見つけることが出来ません。
残念ながら、あなたの理想が叶えられる住宅会社が、それほど多くあるわけではありません。)
それに、少ない住宅会社からパートナーを選んだ人達は、家づくりの知識をあまり持っていないことが多いので、マイホームの打合せが進むにつれて家づくりに関する知識や情報が増えていくことになります。
そして、知識が増えると「私達の欲しかったマイホームはこんなんじゃなかった。」や「もっと自分達に合った住宅会社を見つけていたら・・」ということが分かるので、失敗や後悔を感じてしまうんです。
なので、私は住宅会社を探し始める前に、家づくりの知識や情報収集から始めることをおススメしています。
これが出来ていない状態で、住宅会社を訪問してしまうと「住宅会社の実力」や「自分達の要望が叶えられるか」といった、重要なことを正確に判断出来ずに契約することになってしまいます。
住宅会社と契約してからでは手遅れなので、必ず契約前に家づくりの情報収集を行って知識を深めて下さいね。
「家づくりの知識や情報収集」についての詳細へは、下記のリンクから移動できます。
それと、たくさんの住宅会社の情報を集めるといっても、一社一社を訪問していては途方もない「時間」や「手間」がかかってしまいます。
それに、住宅会社の営業マンは自社のメリットは説明しても、デメリットは教えてくれないので、公平な判断をすることが難しいんです。
なので、始めから住宅会社を訪問するのではなく、資料だけを集めた方が良いでしょう。
「住宅雑誌」や「インターネットのHP」などでも良いのですが、それでは「間取りのプラン」や「概算の金額」を知ることが困難です。
最近は、資料だけでなく「間取りプラン」や「資金計画」を無料で簡単に一括請求できるネットサービスもあるので、試してみるのも良い方法だと思います。
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それに、たくさんの住宅会社の資料を見ることは、より家づくりが身近なものになり、知識の蓄積にもなるので、成功へ一歩も二歩も近づきます。
出来るだけたくさんの資料を集めたら、次はあなたのお眼鏡にかなう住宅会社をピックアップしていきましょう。
※出来れば、3~5社位に絞りたいですね。
自分達にピッタリな住宅会社を絞り込むためには、先程の「住宅会社の実力を見極める11の項目の優先順位」が役立ちます。
ここまで進んだら、いよいよ実際に住宅会社の訪問を始めましょう。
もちろん、気になる事は納得出来るまで、とことん質問することが大切です。
(11の項目の中で、資料だけでは分からなかったことも質問して査定表を充実させましょう。)
ここまで出来ていれば、家づくりに必要な知識も手に入れているはずなので、きっとたくさんの疑問があるはずです。
※知識がないと何を聞けば良いのか分からないので、疑問すら沸いてきません。
そうすれば、あなた達家族の理想のマイホームに一番近い住宅会社を選ぶことが出来ます。
冒頭でも話しましたが、ここさえ間違わなければ「満足出来るマイホーム」が手に入ると言っても過言でありません。
お疲れ様でした。
後は、「楽しい家づくり」が待っていますよ。
あなたの理想のマイホームを手に入れるために、心行くまで家づくりを楽しんで下さいね。
■ 住宅会社の実力は非常に大きいので、実力のある住宅会社を探すことが重要
■ 11の項目に優先順位を付けることで、自分達にピッタリの住宅会社を探す準備が出来る
■ たくさんの住宅会社から、自分達に合った3~5社に絞り込んでから訪問すると「時間や手間を失うこと」や「営業マンに惑わされること」を防止できる