※この記事では、「注文住宅の要望・イメージをまとめるコツ」や「理想の暮らしの見つけ方・伝え方」について詳しく解説しています。
こんにちは!建築士&FP技能士の清水裕一(しみゆう)です。
注文住宅では、担当者(住宅営業マン・設計士)にマイホームで叶えたい要望やイメージを伝えることから始まります。
・・が、意外なほど伝わっていないことが多いんです・・
思っているほど「要望・イメージ」は伝わっていない、伝えられない
日頃の生活で、自分の想いやイメージを理解して欲しいのに、『なんだか上手く伝たわっていない・・』『伝えられない。』って経験ありませんか?
そのまま放っておいて思わぬトラブルに発展・・
原因はお互いのイメージの共有不足。
実はコレ、家づくりでもよくある悩みです。
住まいに対する要望や不満は、感覚的だったり、抽象的だったり、過去の経験則によるものだったり、と基準があいまい。
完成形のイメージしにくい注文住宅では尚更、場合によっては取り返しがつかないことも珍しくありません。
こんな失敗を防ぐには、新居で叶えたい理想の暮らしをまとめておき、イメージを伝える準備をしておくことが大切です。
では、注文住宅の家づくりで要望をまとめるコツを紹介していきますね。
■ 理想の暮らしがイメージできていない
■ 自分の気持ちを伝えるのが苦手
理想の暮らしの見つけ方 4つのポイント
突然、『理想の暮らしを想像してください。』と聞かれて、すぐに返答できる人は少数派。
大半の人は、言葉にするのが苦手だったり、本当の要望に気付いていなかったり、イメージがおぼろげだったりします。
こんな場合は、視点を変えてみるのが効果的です。
日頃の間取り打ち合わせでアドバイスしている、4つのポイントをご紹介します。
ご自身にあてはめ、理想の暮らし発見にお役立てください。
日々の暮らしに振り返る
家族であっても、一人一人ライフスタイルが異なります。
今一度、「起床時間」や「通勤・通学時間」「食事を取る時間」「休日の過ごし方」「就寝時間」など、それぞれの日々の生活に振り返ってみましょう。
日々の習慣に注目すれば、朝の通勤や通学の時間が重なるから「2ボウルの洗面台の導入」「トイレを2ヶ所に設置」など、新たな要望が見つかるかもしれません。
忘れずに、「来客の頻度」や「ペット」「自動車」など、あたりまえに過ごしている日々の暮らしにも振り返ってみましょう。
きっと、今まで思いもしなかった新たな要望・希望に気が付くはずです。
現在の住まいの不満を書き出す
「現在の住まいで不満に感じていること」を書き出してみましょう。
「住まいに対する不満」は理想のマイホームを建てるためのヒントの宝庫です。
現在感じている不満が解消できれば、マイホームの満足度・完成度は格段にアップします。
「住まいに対する不満」を設計士に伝えるのもオススメ。
一般の人では気が付きにくい、プロならではの提案をしてくれるかもしれません。
新居に求める要望・希望を書き出す
家族それぞれの叶えたい要望・希望を書き出してみましょう。
一緒に暮らしていても、住まいに求める要望は一人一人違うものです。
「家の外観イメージ」や「内装イメージ」「部屋の広さ」「憧れる設備機器」「庭に求める環境」など、どんなことでもかまいません。
ここで大切なのは、『きっと無理・・』とあきらめないこと。
口に出さなければ絶対に叶うことはありませんし、百戦錬磨のプロに伝えれば素晴らしい提案をしてくれるかもしれません。
将来のライフスタイルをイメージしてみる
末永く暮すことになるマイホームなのですから、出産やお子さんの結婚・両親との同居など、ライフスタイルの変化もイメージしてみましょう。
同居する家族の人数や年齢の変化により、暮らし方が大きく変わると、今まで便利だったものが不便になったり、必要なくなったりすることがあります。
初めての家づくりでは、どうしても現在にフォーカスしがちですが、現在の状況がずっと続くわけではありません。
ライフスタイルの変化に備えた「自由度の高い間取り」や「動線の短縮化」をマイホームの要望に加えておくと、将来の不満への対処も万全です。
家づくりの要望・希望をまとめるコツ
ちょっとしたコツを知るだけで、家づくりの要望・希望をグッとまとめやすくなります。
秘訣は、とにかく記録に残すこと。
- 知人の家を訪れる
- 近所の住宅街を散策
- 両親やママ友との会話
などなど、家づくりのヒントはあちこちに転がっています。
マイホームが完成してから後悔しないように、しっかり情報収集を心掛けましょう。
せっかく素晴らしいヒントを見つけても、忘れてしまっては本末転倒です。
STEP1.家族全員の要望・イメージの共通化
一緒に暮らしている家族だからといって、必ずしも好みを理解しているとは限りません。
実際の完成物を確認できない注文住宅では、マイホームが竣工してから『イメージと違う・・』なんてことは日常茶飯事。
経験が少なく、完成形を想像しにくい家づくりでは、家族全員の要望・イメージの共通化が重要です。
書籍や雑誌・注文住宅カタログを活用すれば、家族それぞれのイメージを共有しやすく、思い違いも防げます。
要望やイメージを言葉だけで伝えるのではなく、写真やイラストを利用するように心掛けてください。
住宅会社の担当者との打ち合わせにも役立ちます。
STEP2.家族一人一人の要望・希望を話し合う
注文住宅の要望やイメージを共通化しやすいアイテムを用意できたら、家族全員で話し合う機会を設けましょう。
『住宅に興味ないから。』と言っていても、新居で暮らし始めてから不満を漏らすのは、「注文住宅あるある」です。
せっかく注文住宅でマイホームを建てるのに、不満を残しては勿体ない。
住まいに興味がないように見えても、『住めれば何でもいい。』なんて人はいません。
誰しも何かしら、暮らしに対する要望・希望を持っているものです。
もしかしたら、『どうせ聞き入れてもらえない・・』と思っているだけかもしれません。
夕食後の団らんを利用して、それとなく家づくりについて話かけてみるのも良い手です。
ここでも書籍や雑誌・注文住宅カタログが、話し始めるきっかけに役立ちます。
STEP3.新居で叶えたい要望をまとめ記録を残す
家族全員で話し合った家づくりの要望は、必ず記録に残しておきましょう。
注文住宅の家づくりは、完成まで長期にわたります。
時間の経過にともない、せっかくの要望を忘れてしまったり、埋もれさせてしまうのは勿体ない。
理想の注文住宅を叶えた人達は、「家づくりノート」を作っているケースが多く。
マイホームで実現したい要望だけでなく、資金計画やスケジュールについてもまとめています。
家づくりの中でも難易度の高い、注文住宅で失敗・後悔しないためには必須のアイテムです。
新居で叶えたい要望をまとめるのに有効なのが、注文住宅のカタログです。
特徴・デザインの異なる住宅会社のカタログを参考にすると、要望・希望が具体化されやすいのでオススメ。
一括資料請求を利用すれば、取り寄せも楽チンですよ。
注文住宅を建てた人達の要望実例
「さらなる要望・希望」を見つけるには、実際に再現された実例が有効です。
すでに注文住宅を建ておえた人達が叶えた要望はヒントの宝庫。
新居での暮らしをイメージしやすくなるので、今まで気付かなかった要望が見つかるはずです。
家族とのコミュニケーションを大切にしたい
- みんなの顔が見える、対面キッチンやアイランド型キッチン
- リビングに階段があり、リビングを通らないと他の部屋に行けない間取り
- 庭のウッドデッキや屋上でバーベキューが出来る環境
- 家族の存在が感じられる、吹き抜けのあるリビング
- 子供が大きくなってから間仕切りを付けられる寝室
- 間仕切りの無い子供部屋
- 勉強や仕事ができるテーブルのあるリビング
お客さんをもてなしたい
- たくさんのお客さんを呼べる、広いリビング
- お客さんの目に付かない、間仕切壁のあるキッチン
- お客さんの目に付かない、生活動線のある家
- たくさんの靴が置ける、広い玄関
- 荷物を直ぐに片付けられる、大きな収納のあるリビング
- ゲストルームに早変わりする洋室
- ホームパティのしやすい、アイランドキッチンがあるリビング
- 同時に使用できる、2か所のトイレや洗面所
- お客さんが居ても気にしないで利用できる、2階のお風呂
高齢者も暮しやすい家にしたい
- 段差のない、バリアフリーの家
- 日当たりの良い庭に面した和室や寝室
- 玄関ポーチにスロープのある家
- トイレや浴室に近い寝室
- 開き戸がなく、引き戸だけの家
- 車いすでも入れる間口の広い、トイレやお風呂
- 玄関や廊下の手すりがある家
- 2階のない、平屋の家
ペットと一緒に暮らしたい
- ペットドアのついたリビング扉
- ペットを洗える、庭の洗い場
- 傷のつきにくい、床のフローリング
- 防臭・抗菌効果のある壁紙
- 猫が自由に移動できる、キャットウォーク
趣味を楽しみたい
- 家庭菜園のできる庭
- 趣味専用に使える部屋のある家
- オーディオやシアターの設置できる、防音の部屋
- 書斎やパントリー(家事室)のある家
- バーベキューなどが出来る、屋上のある家
- 複数の人でも、余裕のあるキッチン
仕事のできる家にしたい
- 仕事と生活スペースを分けられる、玄関が2つある家
- 子供部屋から離れた仕事部屋のある家
- 家事の合間に利用できる部屋のある家
収納スペースがたくさん欲しい
- 納戸のある家
- ウォークインクローゼットのある寝室
- 屋根裏収納のある家
- 壁面収納があるリビング
- 床下収納の充実したキッチン
- 畳下収納のある和室
- 大きな収納スペースのある庭
- 壁一面が本棚の書斎
- 階段下収納のある階段
- パントリーのあるキッチン
エコな暮らしがしたい
- 高気密・高断熱で冷暖房効率の良い家
- 太陽光発電システムで電気を発電する家
- 太陽熱温水器がある家
- 風通しの良い高窓がある吹き抜け
- 雨水貯留タンクのある庭
- 全室にLED照明を使用した家
- 天窓や中庭から太陽光が入るリビング
- 屋根で緑を育てる、屋上緑化の家
- 家庭菜園のできる庭
日の光を浴びて過ごしたい
- 2階リビングの家
- 天窓や大きな開口の窓があるリビング
- 日の入る中庭のある家
- 大きな吹き抜けがあるリビング
外観デザインに凝りたい
- 近代的ですっきりしたシンプルモダンな外観
- 昔ながらの純和風の外観
- 自分好みの屋根や外壁を組み合わせた和洋折衷の外観
- 階段がなく暮しやすい平屋
- メンテナンスが楽なタイルの外壁
- たくさんの部屋が作れる3階建て
- 白い外壁や切妻屋根が特徴の欧風の外観
- 丸窓や縦長窓が印象的な外観
近隣の環境に求めること
- 通勤時間や通学時間のかからない、駅から近い家
- 治安が良く夜も安全な、街灯のたくさんある地域
- 通いたい学校がある校区
- 車や人通りが少なく、静かな道路
- 買い物などに便利な、スーパーや専門店街が近い土地
- 豊かな自然が多い地域
- 安心して遊べる大きな公園がある街
新居で叶えたい要望の実例は見つかりましたか?
要望を伝えるコツは、目的を具体的に表現すること。
「なんのために欲しいのか」といった要望の主旨を伝えられないと、建築のプロから的確なアドバイスやアイデアを引き出せませんよ。
住宅会社との契約後では遅すぎるーまとめ
『マイホームで叶える要望を具体化するのはもっと後、まずは住宅会社を決めなくちゃ。』
と思っていませんか?
そんなことでは、予算オーバーまっしぐら。
予算オーバーの原因で圧倒的に多いのは、「新たな要望の増加」「要望の具体化にともなう費用の上昇」なんです。
『決めるのは契約後で大丈夫。ゆっくり進めていきましょう。』
なんて住宅営業マンのセールストークを真に受けては失敗のもと。
住宅会社と契約を交わした後では遅すぎます!
言うまでもありませんが、知識が増えるにつれて要望が膨らむのは当たり前。
要望が膨らめば、当然費用も膨らみます。
費用が膨らんだあげく予算オーバー。
住宅ローン返済に追われ日々の生活が犠牲に・・
『なんで家なんて建てたんだろう・・』
こんなことにならないよう、今からマイホームで叶えたい要望・希望をまとめておきましょう。
日々進化する注文住宅では、最新の情報を集めているかが成否を分けるカギといっても過言ではありません。
家族の要望をまとめることは、家づくりの知識向上にもつながりす。
注文住宅を建てるなら、『そのうち。』と言わず、今から行動を起こしましょう!
■ 新居で叶えたい要望・希望は必ず記録に残しておこう
■ 注文住宅を建ておえた人達の要望実例はヒントの宝庫
■ 契約後の要望増加は失敗のもと、今から情報収集を始めよう
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