【電気工事の流れ】注文住宅の電気配線は何時まで変更可能なの?
こんな人におススメの記事です!
■ マイホームの電気配線の「数」や「位置」で迷っている人
■ 注文住宅での電気配線の変更期限が気になる人
■ 家づくりで失敗や後悔したくない人

こんにちは!建築士のしみゆうです。

注文住宅の打ち合わせが終盤に差し掛かると、まるで決まったかのようにお施主さんから、

「コンセントやスイッチの変更は何時までなら大丈夫ですか?」と質問を受けます。

 

やはり、「コンセント」や「照明スイッチ」などの電気配線の「位置」や「数」は、新居に住み始めてからの使い勝手に大きく関わるので、

「失敗や後悔したくない!」と思っている方が非常に多いんですね。

今回は、注文住宅での「電気工事の流れ」や「電気配線の変更期限」についてまとめてみました。

注文住宅の電気工事の流れ

注文住宅の電気工事で照明スイッチを施工中

一口に注文住宅といっても、建物の「構造」や「建築方法」によって工事の流れは大きく異なるので、

今回は一般的な木造住宅での電気工事を例に挙げ、工事の流れを紹介します。

「配線」や「スイッチBOX」などを仕込む

日頃、お家での生活している中で、「分電盤からの電気ケーブルなどの配線」が目に触れることなんてありませんよね。

それもそのはず、電気ケーブルなどの配線は見た目がスッキリするように、「壁」や「天井」の中に隠す、隠ぺい配線を行っています。

 

この作業は建物の骨組みが終わってから、各部屋の「壁」や「天井」を貼り始める迄に完了しないといけないので、

上棟(棟上げ)から1~2週間前後の時期に、電気工事の職人さんが2~3日かけて施工するのが一般的です。

そして、この配線工事と同じ時期に、壁の中に隠れるように「スイッチBOX」や「コンセントBOX」「給排気口のジャバラ管」などの仕込みも済ませてしまいます。

しみゆう

この作業によって、建物に設置する「照明スイッチ」や「コンセント」の「数」や「位置」が確定してしまうので、机上での電気配線の打ち合わせを完了しておかないといけないのですが、

 

中には、この工事の工程の最中に、お施主さんと現場での「電気配線の最終打ち合わせ」の機会を設ける住宅会社もあります。

 

このタイミングであれば、少しぐらいの「変更」や「追加」なら比較的簡単にできますし、図面だけでは分かりにくい「高さ」や「使い勝手」をイメージしやすいので、住み始めてから感じる失敗を防ぎやすいんです。

この後の電気工事の工程は、建物内の「壁」や「天井」を貼ってからになるので、電気の職人さんは少しの間現場を離れ、大工さんの造作工事が進んでいきます。

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スイッチBOXの位置に合わせて開口を開ける

この工程は、大工さんの造作工事が終盤にならないと施工できません。

なので、建物の「仕様」や「規模」にもよりますが、一般的な木造住宅(約30前後)なら、上棟から30~40日後といったところです。

工事の内容としては、事前に「壁」や「天井」の中に仕込んでおいた電気設備の位置に合わせて、「壁」や「天井」の仕上げ材(石膏ボードなど)に開口を開けていきます。

 

「壁や天井の中に隠れてしまった配線や設備器具をどうやって見つけるんだろう?」と、疑問に思われるかもしれませんが、

大工さんが印を残しておいてくれたり、マグネットを利用して探す仕組みがあるため、間違った部分に開口を開けてしまうことはないので、安心してくださいね。

しみゆう

お施主さんの中には、この時期でも「電気配線の追加や変更が簡単にできる」と思われている方がいらっしゃいます。

 

しかし、ここまで工程が進んでしまうと、分電盤から電気配線を引っ張ってくるのに「壁」や「天井」を撤去しなければなりませんし、状態によっては建材を再利用することができません。

 

もちろん、追加費用が必要ですし、その金額も事前の打合わせでの「変更」や「追加」とは比べものにないくらい高額になってしまうでしょう。

 

それに、非常に「手間」や「時間」がかかるため、予定していた工事をキャンセルしないといけなくなることが多く、「工期の遅延」や「仕上げ精度の低下」にも繋がりやすいので、正直この時期になってからの変更はおススメできません。

「コンセント」や「スイッチ」などの電気器具を取り付ける

電気工事では、最後の仕上げに「コンセント」や「スイッチ」などの電気設備の取付けを行います。

時期としては、室内の「クロス(壁紙)」が貼り終わった頃なので、ほとんどの工事が完了しており、新居での新しい生活をかなりイメージしやすいと思います。

住宅会社で照明器具を注文した場合、電気工事の職人さんが照明器具を取り付けてくれるのも、この時期です。

マイホームの引き渡しまで残りわずかとなるので、「ワクワク感が抑えられない!」そんな時期とも言えますね。

しみゆう

ここまで工程が進むと、電気配線の「変更」や「追加」はリフォーム工事と同じ手順になってしまいます。

 

「費用」や「手間」「時間」はもちろん、内容によっては電気配線の隠ぺい(隠すこと)さえ難しいかもしれません。

 

もしかしたら、露出排管(室内に配線が見えている状態)でないと、工事を受けてくれないかもしれませんよ。

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電気配線は何時までなら変更可能なの?ーまとめ

注文住宅の電気配線は何時までなら変更可能なの?

「在来軸組工法」や「2×4工法」といった、一般的な木造住宅での「電気工事の流れ」と「電気配線の変更」について紹介させていただきましたが、いかがでしたか。

一口に「電気配線の変更」といっても、工事の進捗状況によって、必要な「費用」や「手間」「時間」などが大きく異なります。

 

それに、注文住宅での工事中の変更は、後々「言った、言わない」などのトラブルに繋がりやすく、

「工事が始まったら一切の変更を受け付けない」や「変更可能な期日を設定している」といった住宅会社も少なくありません。

特に、家づくりのシステム化を図っている大手ハウスメーカーはその傾向が強く、中小の「工務店」や「設計事務所」になるほど仕様変更に協力的であることが多いのが現状です。

 

電気配線の変更など、建物の仕様変更は工事が進めば進むほどリスクが高まってしまうのですが、

「どの時期に図面の確定を行うか」や「現場を見ながら打ち合わせができるか」「追加費用はどのくらい必要なのか」といったことを事前に聞いておけば、後々のトラブルを防ぐことに繋がるので、住宅会社の担当者に確認しておきましょう。

 

注文住宅では、この他にも工期を縮めたり、完成度の均一化を図るために、工場で建物の大部分を完成させてから現場で組み立てる、「プレハブ工法」や「木質パネル工法」といった工法があります。

これらの工法では、電気配線が工場で組み込まれていることも多く、「工場での生産が始まると一切の変更を受け付けない」という特徴があるので、覚えておくと役に立つかもしれません。

 

注文住宅では、「知らないこと」や「疑問に思ったこと」を放ったらかしにせず、事前に情報収集しておいたり、住宅会社との工事請負契約を交わす迄に確認しておけば、

家づくりでの「失敗」や「後悔」の回避に繋がるので、参考にしてみてくださいね。

 

もしかしたら、「現場での電気工事の順序なんてどうでもいいよ」なんて思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、

一生に一度経験するかしないかの家づくりですし、きっとマイホームへの愛着も深くなると思うので、マイホームの電気工事の進み具合を確認するついでといっては何ですが、レジャーの一環として現場に足を運んでみるのも楽しいですよ。

今回の問題解決と総まとめ
■ 電気配線の変更期限は住宅会社によって異なるので、事前の確認が大切
■ 「追加費用の有無」や「変更できる内容」についても確認しておこう
■ 現場での電気配線の打ち合わせができる機会があれば、なお良し
■ マイホームへの愛着を深めるためにも、現場に足を運ぶ機会を増やそう
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