■ 上棟式で必要な職人さんへのご祝儀で困っている人
■ 家づくりで失敗や後悔をしたくない人
こんにちは!建築士のしみゆうです。
注文住宅の工事が着工したお施主さんの悩みの1つに、
「上棟式はどうしよう・・」というものがあります。
上棟式に回すお金があれば、「自分達の要望を1つでもたくさん叶えるために、マイホームのオプションに使いたい。」というのが本音だと思いますし、
何となく、「家を建てるなら上棟式をした方がよいのでは・・」と感じるのも分かります。
ですが、費用ばかりを気にしてしまって、家づくりの思い出が減ってしまうのは勿体ないと思います。
それに、費用が気になるなら、節約する方法がない訳でもありません。
今回は、略式での上棟式の「準備」や「流れ」「ご祝儀の相場」についてご紹介します。
最近主流となっている略式での上棟式の準備と流れ
元来、上棟式は新築工事の棟上げが完了した際に行われる、「上棟以降の工事の安全」や「完成後の建物の無事」を祈願する祭祀でした。
ですが、いつのまにか祭祀というよりも、施主が「職人」や「工事関係者」の労をねぎらうという意味が強くなり、
最近は、神主さんに依頼して上棟式をすることはほとんどありませんし、略式の上棟式すら行わないお施主さんも増えてきました。
しかし、上棟式をやるやらないを決めるためにも、せめて略式の上棟式での「準備」や「流れ」について知っておいて下さい。
略式での上棟式で準備する物
- 棟札(むなふだ)・・神社で購入可能
- 御幣(ごへい)・・ホームセンターやインターネットなどで購入可能(住宅会社が準備することも)
- 洗米・・洗ったお米
- お塩・・粗塩
- お神酒・・購入時に熨斗(のし)を付けてもらうとよい
- ご祝儀・・相場は後述
- 引き出物・・赤飯、お酒、紅白まんじゅう、菓子折りなど
- 飲み物・・お茶、ジュース、ビール、お酒など
- お弁当・・直会(なおらい)を催す場合に必要
- お餅・・餅まき(もちまき)を行う場合に必要、お菓子や小銭をまくことも
上記は略式での上棟式で最大限に必要な物の一覧です。
最近は、工事現場に自動車で来ている大工さんが多いこともあり、お酒を飲むことができないので、直会を催すことも少なくなりましたし、
なにより、1日で棟上げを完了させることが多いので、上棟日では直会の時間がとれないかもしれません。
そんな時は、休憩時間(昼・15時)に簡単に済ませることもありますし、
無理に上棟日に上棟式を行うのではなく、日を改めるといった方法もあります。
職人さんとのコミュニケーションを深めるのに直会は良い機会なので、事前に参加人数の確認を住宅会社の担当者にお願いしておきましょう。
上棟式の略式手順
- 大工の棟梁が棟木(屋根の頂部の横架材)に棟札や御幣(神祭用具)を鬼門(北東)に向けて取付ける
- 建物の四方に「四方固めの義」を行う
- 施主の挨拶・乾杯
- 棟梁や工事関係者の挨拶
- ご祝儀を配る
- 手締め(一本締め)を行う
- 引き出物を配る
上記が、上棟式の略式に於ける手順なのですが、
中には、上棟日以外の日程で②だけを行う方もいらっしゃいますし、①も棟梁に棟札の取付けだけをお願いする方もおられるので、決して全ての手順を行わないといけない訳ではありません。
それに、以前は盛んに行われていた餅まきも、今では近所にお住いの方への声掛けが必要なこともあり、ほとんど行わなくなりましたし、
上棟式は地域によって慣習も違うので、「余計な出費」や「失敗」を避けるためにも、念の為に住宅会社に確認することをおススメします。
職人さんへのご祝儀の金額で困っていませんか?
では、一番気になる職人さん達に渡す、ご祝儀の相場をご紹介します。
- 大工の棟梁・・1~5万円
- 棟梁以外の職人さん・・0.5~1万円
- 現場監督、設計士・・0.5~2万円
- ガードマン・・0.1~0.3万円
それと、一般的な木造住宅での上棟日のメンバーですが、
棟梁1名、大工5~7名、レッカー1名、屋根職人1名、現場監督1名、ガードマン1~2名
となり、ご祝儀だけでも5~10万円になるので、それなりの出費が必要となります。
もし、少しでも節約したい場合は、上棟日以外に略式の上棟式を行う方法もあります。
そうすれば、上棟日だけしか参加しない職人さん達のご祝儀を節約できますし、
上棟式を行わないからといって、職人さん達が工事の手を抜くことはありませんので安心して下さい。
もちろん、上棟式を行う場合は、事前に「参加人数」や「手順」を住宅会社の担当者に確認する必要がありますが、
直会を行うのか、ご祝儀を渡すのかも忘れずに伝えておきましょう。
中には、職人さんへのご祝儀を禁止している住宅会社もありますし、直会を期待してお弁当を用意してこない職人さんがいるかもしれません。
上棟式は必要なの?ーまとめ
最近は、上棟式を行うお施主さんも少なくなりましたが、
どんなに略式でも構わないので、「上棟式を経験してもらいたい」というのが個人的な願いです。
日頃あまり接することのない、職人さん達との話は面白いと思いますし、マイホームを建ててくれる棟梁の人柄を知ることは、信頼関係を築く上でも効果的です。
それに、「顔も知らないお施主さんの家を建てるよりも力が入る。」と言う職人さんもいますし、現場に良い緊張感が生まれるようにも感じます。
何より、上棟式での経験は良い思い出になるので、マイホームに対しての思い入れも強くなるのではないでしょうか。
■ 最近は、上棟式を行わないお施主さんも増えている
■ 上棟式の日程を変更すれば、費用の節約もできる
■ せっかくの家づくりなので、上棟式を体験して欲しい