【地鎮祭のマナーと準備】費用や流れ・服装・日取り・お供え物の目安

※この記事では、地鎮祭にかかる費用・時間、事前に準備の必要な服装・日取り・お供え物、儀式のマナー・流れ・内容について詳しく解説しています。

 

しみゆう

こんにちは!建築士&FP技能士の清水裕一(しみゆう)です。

 

地鎮祭をするか、しないか、迷っていませんか?

 

近頃、地鎮祭といった慣習行事が減少傾向にあるように感じます。

時代が進むにつれ変化するのは当然かもしれませんが・・

地鎮祭をしない原因が費用や時間なのであれば、ちょっとした工夫で解決できるかもしれません。

 

地鎮祭は、注文住宅を建てるからこそ参加できる祭事の一つといえます。

一生に一度かもしれない家づくりなのですから、たくさん思い出をつくりましょう!

 

とはいえ、ご自身・ご家族に行動を求める儀式もあるので、事前にマナー・作法を知っておかないと緊張しますよね。

 

初めての地鎮祭であれば、なおさらです。

 

いい機会ですから、本番で困らないよう、地鎮祭に関わる知識を学んでおきましょう。

 

 こんな方にオススメの内容です!
■ 地鎮祭の流れ・内容を知りたい
■ 地鎮祭の費用や服装・時間・日取りなどの目安が気になる
■ マイホームの地鎮祭をするか・しないか迷っている

地鎮祭とは

地鎮祭とは

地鎮祭(じちんさい)とは、その土地に宿る神様(氏神)を鎮め、土地の利用に許しを得ることを目的として行う儀式です。

「とこしずめのまつり」と呼ばれることもあります。

 

日本書紀に記述されているほど伝統のある儀式のため、参加されたことはなくても、ご存じの方は多いでしょう。

 

地鎮祭の目的

地鎮祭の主な目的には、

  • 工事中の「無事」や「安全」を願う
  • 将来の家の繁栄を祈る

 

といった、二つがあります。

 

地鎮祭の様式

地鎮祭の主な様式には、

  • 神式(しんしき)・・神社に依頼
  • 仏式(ぶっしき)・・お寺に依頼

 

といった、二つがあります。

とはいえ、神式による儀式が一般的で、仏式の地鎮祭は非常にまれです。

 

地鎮祭を依頼する神社を選ぶ際、その土地の氏神を祀る神社にお願いするのが通例でしたが、

近年は、マイホームを建てる敷地から近い神社にお願いするケースが増加しています。

 

ずいぶん前の話ですが、

 

キリスト教のご夫婦の家づくりを担当した際、教会式の地鎮祭を経験したことがあります。

 

神父さんが祈りを捧げられ、神様へのお供え物として「聖書」を土地に埋めたのは印象的でした。

 

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地鎮祭の費用

地鎮祭の玉串料(神社へのお礼金)は3~5万円が相場

地鎮祭には、主に下記のような費用が必要です。

  • 玉串料(神社へのお礼金)・・3~5万円
  • 神主さんのお車代・・0.5~1万円
  • 祭壇のレンタル費・・1~2万円
  • お供え物の費用・・0.5~1万円
  • テントの費用(必要な場合)・・3〜5万円程度(レンタル料と設営料)

 

しっかりと地鎮祭をするなら、10万円以上の出費が必要なのが一般的です。

 

少しでも節約したいなら。

ご自身の自動車を使って神主さんを送り迎えしたり、自分でお供え物を用意したり、テントの設営を省いたりすれば、手間は増えますが費用は抑えられます。

 

もし、費用も手間も省きたいなら。

地鎮祭セット(玉串料や祭壇・お供え物など全て込み)といった、お得なパック料金を設定している神社を選ぶ方法もあります。

フランチャイズ形式の地鎮祭を扱っている神社なら、玉串料・お供え物・祭壇など、全ての費用を合計しても4~5万円程度の出費ですむうえ。

日本全国、ほとんどの地域で依頼が可能なため、費用や手間だけでなく、時間も省くことが可能です。

 

住宅会社の担当者に確認すれば、手配に時間を取られることなく、意外と簡単に節約できるかもしれませんよ。

建物の工事を請け負う住宅会社が祭事用のテントを貸してくれることもあるので、節約を考えている方は、忘れずに事前確認をしておきましょう。

 

他には、直会(なおらい)と呼ばれる、儀式に参加した人達との食事会の費用が必要になる場合があります。

 

以前は通例とされていた直会ですが、現在は催すことが少なくなり、地鎮祭で見かけるのは非常にまれとなりました。

 

地鎮祭の服装

地鎮祭の服装

地鎮祭へ参加する服装に、とくに決まりはありません。

もちろん、結婚式や葬式のようなフォーマル(正礼装・準礼装)を用意する必要はなく。

平服(略礼装)による参加が一般的です。

 

【略礼装の例】

  • 男性・・スーツにネクタイ
  • 女性・・パンツタイプのスーツ、ワンピース
  • 学生・・制服
  • 幼児・・派手さのない服装

 

靴に関しては、建物を建てる前の敷地は土なので、動きやすいスニーカーなどを選んでもOKです。

近年は、オシャレな普段着で地鎮祭に参加する方も増加しているため、それほど慎重になる必要はありません。

 

派手でなければ普段着でも問題ないでしょう。

 

ですが・・さすがにデニムにTシャツは避けた方が無難ですね。

 

地鎮祭にかかる時間

地鎮祭にかかる時間

地鎮祭にかかる時間は、1時間前後が一般的です。

ただし、準備に必要な時間は含んでいないため、地鎮祭の前後に時間の余裕をみておくと安心です。

 

後述しますが、住宅会社によっては地鎮祭終了後に「建物の配置確認」や「打ち合わせ」を行うことがあります。

 

念のために、住宅会社の担当者に地鎮祭後の予定を聞いておくと安心です。

 

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地鎮祭のお供え物

地鎮祭のお供え物の様子(酒・米・塩・水・海の物・山の物)

地鎮祭に用いる神様へのお供え物は、一般的に神社(もしくは住宅会社)が用意します。

ですが、建て主に準備を求められることもあるので、以下を参考にして下さい。

 

【地鎮祭のお供え物】

  • お酒・・1升、清酒(のし紙付)
  • お米・・1合、洗米(一度洗ってから乾かしたお米)
  • お塩・・1合、一般的な粗塩
  • お水・・1合、ペットボトルの水でOK
  • 海の幸・・魚(尾頭付)、昆布、するめ等
  • 山の幸・・果物(季節の物)、トマト・ナス等(地面の上に生る野菜)、大根・芋等(地面の下に生る野菜)

 

地鎮祭では、お供え物の他にも「竹」や「しめ縄」「砂」などの祭典用具が必要ですが、これらについても住宅会社(もしくは神社)が用意してくれるので心配ありません。

どうしても気になる方は、確認しておくと安心です。

 

神社や住宅会社が用意したお供え物だけでは貧相なことがあります。

 

記念撮影・インスタ映えなど、地鎮祭の写真に凝りたい方は、事前に確認しておきましょう。

 

地鎮祭の日取り

地鎮祭では六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)の一つ大安が好まれる

地鎮祭を行う日取りには、歴注の1つである六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)の中でも、「大安」「先勝」が良いとされており、次いで「友引」が好まれます。

そのため、土日祝の「大安」「先勝」は地鎮祭を行う方が増加する傾向があります。

 

最近の若い方は、六曜などの縁起をかつがない方が増えているように感じます。

 

とはいえ、日取りにこだわるなら、できるだけ早く神社に予約しておきましょうね。

 

地鎮祭の流れ・儀式の内容

地鎮祭の流れ・儀式の内容

地鎮祭の流れ・儀式の内容について紹介します。

 

【地鎮祭の流れ・儀式の内容】

  1. 手水(ちょうず)・・参加者が祭事場に入る前に手を水で清める
  2. 修祓(しゅばつ)の儀・・神主が参加者・お供え物を清める
  3. 降神(こうしん)の儀・・神主が祭壇に神様をお迎えする
  4. 献饌(けんせん)・・神主が神様にお供え物をささげる
  5. 祝詞奏上(のりとそうじょう)・・神主が祝詞を読みあげ神様に建物の建築と工事の安全を願う
  6. 四方祓(しほうはらい)・・神主が敷地の四方を順に周り清める
  7. 地鎮(じちん)の儀・・施主・施工業者・住宅会社の担当者が順に忌鎌・忌鋤・忌鍬を用いて掛け声をかけながら祭壇近くに作った盛土に動作を行い、神主が鎮め物(しずめもの)を納める
  8. 玉串奉奠(たまぐしほうてん)・・参加者が順に榊を祭壇に捧げる拝礼式
  9. 撤饌(てっせん)・・神主がお供え物を下げる儀式
  10. 昇神(しょうじん)の儀・・神主が祝詞を読みあげ、神様にお戻りいただく
  11. 神酒拝戴(しんしゅはいたい)・・神主がお供え物のお酒を参加者に振舞う

 

上記は、一般的な地鎮祭の流れ・儀式の内容です。
※神社によって変わることがあります

 

建て主の積極的な参加を求める儀式も

さまざまな儀式によって構成される地鎮祭ですが、基本的に建て主(施主)は参加(見ている)だけです。

とはいえ、建て主の積極的な参加を求める儀式もあります。

ご自身・ご家族の行動が必要な儀式となると、気になりますよね?

 

実際に行動が必要な儀式は、「7. 地鎮の儀」「8. 玉串奉奠」です。

  • 地鎮の儀・・建て主は鋤(すき)を持つことが多く、「えい!えい!えい!」と掛け声をかけながら、土山に鋤を入れる仕草を行います
  • 玉串奉奠・・地鎮祭の参加者は順に祭壇の前に立ち一礼、玉串(榊)を時計回りに1回転させ祭壇に供えた後、二礼二拍手一礼を終え席に戻ります

 

全てが滞りなく終われば地鎮祭の完了です。

最後に、神主さんから「お供え物」や「鎮め物」を貰います。

 

鎮め物は、工事の早い段階で敷地に埋めてもらう必要があるため、施工業者に預けるのが一般的です。

 

お供え物は、実際に食べられるものばかりなので、持ち帰り美味しくいただきましょう。

 

【用語解説】鎮め物とは 
土地の神様を鎮めるため、建物を建てる敷地に埋めるお供え物のこと
※地業(基礎工事の初期段階)に合わせたお供えが一般的
地鎮祭をしない場合、神社で購入することも可能
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地鎮祭で地縄張り(建物の配置)を確認することも|まとめ

マイホームを建てる敷地に建物の位置に沿ってロープを張り配置を確認

注文住宅では、地鎮祭の完了にともない、敷地にどのように建物が建つのか、配置の確認を行うことが多く。

多くの場合、建物の位置をイメージしやすいよう、住宅会社の担当者が「地縄張り(建物外周をロープで敷地に示す作業)」を行っています。

 

ただし、この段階の建物配置の確認は『変更はありませんか?』ではなく、『こんな感じに建物が建ちますよ。』という意味です。

というのは、地鎮祭の頃には建築確認申請が最終段階のことが多く、配置を変更するには余分な費用や時間が必要になってしまうことがほとんど。
※敷地・建物の条件によっては変更不可のことも

 

予期せぬ出費・後悔を避けるためにも。

『やっぱり庭をもう少し広くしたい・・』といった変更のないよう、満足・納得できるプラン計画を終えておくことが大切です。

 

工事が進むにつれ建物が大きく感じる不思議な感覚

建物配置の確認では、お施主さんから『建物が小さく感じるけど、狭くないかな?』といった質問を受けることが多く。

私は決まって、『建物が完成したら、今よりずっと広く感じますよ。』と答えます。

 

不思議なもので、人の目は錯覚をおこしやすく、立体感がないと同じ大きさでも小さく感じるんです。

その証拠に建物が完成すると、『家って、工事が進むにつれドンドン大きく感じるんですね。』というお言葉をいただきます。

 

そのくらい、地縄張りでは小さく感じたマイホームも、基礎工事から上棟・竣工と建物が完成に近づくにつれドンドン大きくなるように感じます。

すごく不思議な感覚なので、楽しみにして下さいね。

 

注文住宅の地鎮祭ならではの特別な意味

以前、地鎮祭といえば建物の新築には欠かせない行事でしたが、近年は地鎮祭をしないお施主さんが増えています。

ですが、注文住宅の地鎮祭には、特別な意味があるのをご存じですか?

 

注文住宅の地鎮祭には、住宅会社の担当者・大工さんといった施工業者の代表が参加することが多く、「顔合わせ」「気を引き締める」といった意味もあります。

それぞれの「人となり」を知る絶好の機会なんですね。

 

工事着工前になると、お施主さんから「地鎮祭の必要性」「費用の相場・手順」に関する質問を受けます。

 

「日程が合わない」「宗教的な問題」など、避けられない理由があるのなら仕方ありませんが・・せめて、敷地の地中に鎮め物を埋めてはいかがでしょうか。

 

きっと、一生の思い出・記念になりますよ。

 

今回の問題解決と総まとめ
■ セット料金のある神社に地鎮祭を依頼すれば費用や手間を節約できる
■ 事前に地鎮祭の流れ・儀式の内容・儀礼を知っておけば安心
■ 地縄張りでは建物が小さく見えても、工事が進むにつれ大きく感じる
■ 地鎮祭は注文住宅だからこそ参加できる祭事、せっかくなので思い出を作ろう

 

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