■ 住宅会社が倒産してから瑕疵が見つかった人
■ 家づくりで失敗や後悔をしたくない人こんにちは!しみゆうです。
工務店の特徴・メリット・デメリットの記事に、このようなコメントをいただきました。
「将来性のある工務店さんなら大丈夫そうですが、倒産などでアフターがなくなる不安はありますね・・」
「問題が起こった時の責任や修理についてなど、その時もし会社がなくなっていたら、と思うと恐いですね。」
(貴重なご意見ありがとうございます。m(__)m)
確かに、家づくりが初めての人がほとんどなので「分からないこと」「知らないこと」に対しての「不安」や「恐怖」は大きいと思います。
それに、「良かれと思って、家づくりのパートナーに選んだ住宅会社が倒産したら・・」と思うと、自分の選択が全て間違っている様に感じてしまい、なおさら「不安」や「恐怖」が大きくなるのではないでしょうか。
マイホームには10年20年それ以上暮らしていくのですから、
将来的に考えると、工務店だけでなく、大資本の大手ハウスメーカーですらどうなっているか分かりません。
そんな心配はしたくありませんが、正しい知識があれば、そんな不安も少しはマシになるかもしれませんね。
今回は、マイホームを建てた住宅会社が倒産してしまった後の「保証」や「アフターサービス」の実状をご紹介したいと思います。
住宅会社が倒産したらアフターサービスはどうなるの?
住宅会社のアフターサービスには、「保証期間」と「定期点検」の2つの意味合いがあります。
まずは、それぞれを分けて見て行きましょう。
保証期間・・商品の不具合を無償で修理する期間
結論から言いますと、住宅会社が倒産した場合はアフターサービスはなくなります。
(のっけから厳しい現実ですが、読み進めて下さいね。)
しかし、すべてのアフターサービスが無くなる訳でもありません。
どういうことかと言うと、現在ではマイホームを建てた住宅会社が「全ての保証を担う」訳では無いんです。
まず一つ目に、
建物に不具合が見つかった場合、一番損害が大きいのは「建物の構造部分の欠陥」と「雨による被害」です。
建物の構造部分の欠陥・・「手抜き工事などが原因で、基礎部分などの不具合により建物が傾く」「強度不足により地震などの災害での倒壊が懸念される」など
雨による被害・・「雨漏りで建物の柱や梁などが腐ってしまう」「湿気によりシロアリ被害が拡大する」など
漠然とこの様なことに「不安」や「恐怖」を感じていませんか?
確かに、こんなことになってしまえば、その建物には住めなくなってしまうので大変です。
もし、住宅会社が倒産していなくても資金力が無くては直すことも出来ませんし、これがきっかけで倒産してしまう可能性もあります。
現実的に、バブル崩壊頃はこんなことが社会問題になり世間を騒がせていました。
そんな問題を解決するために、平成12年4月から品確法という法律が施行されました。
どんな法律かと言うと、「構造体力上主要な部分や雨水の進入を防止する部分の不具合は、建物引き渡しから10年間は法律により守ります」といったものです。
※品確法についての詳しい内容は後述します。
なので、「建物の構造部分の欠陥」と「雨による被害」については、マイホームを建てた住宅会社が倒産などをして保障出来なくなっても、品確法の範囲内であれば保証を受けることが出来るんです。
※住宅会社が倒産していた場合も「保険」や「供託金」から費用が支払われます。
(それに、そんな欠陥住宅を作った住宅会社に「補修」や「改修」を頼むのもどうかと思いますが・・)
次に心配なのが、
「キッチン」や「ユニットバス」などに代表される設備器具などの保証ではないでしょうか。
しかし、設備器具などの保証については、住宅会社も「メーカー保証」に頼っているのが現状です。
設備器具などのメーカー保証は、そのメーカーが倒産するか、保証期限が切れるまでは、住宅会社が倒産しても保証は無くなりませんので安心して下さい。
※建物引き渡し後の保証書の確認は忘れずに!
(もし、住宅会社がメーカー保証を越えて設備器具の保証期間を設けているなら、営業努力の賜物だと思います。)
結論を言いますと、住宅会社が倒産しても保証されないのは上記以外の「建物部分」だけなんですね。
この「建物部分」を多いと感じるか、少ないと感じるかは人それぞれなのですが、少しは気持ちが楽になったのではないでしょうか。
(気休めかもしれませんが、建物の基準自体が上がっていますし、建築技術も向上しているので、昔に比べたら欠陥住宅のリスクはかなり少なくなったと感じています。)
定期点検・・一定期間経過後に点検を行うこと
住宅会社によっては、建物の引き渡し後「3ヶ月」「6ヶ月」「1年」といった具合に定期点検を行ってくれる住宅会社もあります。
この定期点検については、住宅会社が倒産してしまうと受けることが出来なくなってしまうのは間違いありません。
それと、気になる定期点検の内容ですが、
この定期点検については定める法律はないので、「点検期間」や「点検内容」などについては住宅会社の自由となっています。
「専門の担当者が訪問して、全ての不具合をチェックしてくれる」と思ってる人もおられますが、
ほとんどの場合は自己申告なので、「自分で気付かないと見逃すこと」になってしまうので注意して下さいね。
なので、住宅会社が倒産していなくても、プロの目でマイホームの不具合を見つけて欲しい場合は、専門に扱っている会社に有料で依頼することになります。
余談ですが、
「定期点検はどんな不具合でも直してくれる。」と思っている方もおられるのですが・・
そんなことはありません。
定期点検で見つかった不具合の中でも無償で治してくれるのは、「故意」ではなく、「初期不良」や「不可抗力で本来の能力が発揮できなくなった」場合に限られています。
引渡し後に付いた、「壁紙の傷などの生活傷」や「思っていた物とは違う」などは定期点検の無償補修の対象外となるのが一般的なんです。
「〇〇さんのところは直してくれたと聞いたけど・・」ということもありますが、
それは、定期点検担当者のサービスの場合がほとんどなので、あまり期待しない方が良いと思います。
住宅会社の倒産に知識を持って対処するーまとめ
近年は、中小の会社だけでなく、大手の大資本でも倒産してしまうことがあります。
それに、一口に倒産といっても「清算型」と「民事再生などの再建型」に分かれます。
〇清算型・・会社は無くなるが、残った債権があれば他の債権者と分配することが出来る。
〇民事再生などの再建型・・会社が存続するので、それまでの事柄を引き継いぐことも多い。
再建型であれば、以前の「保証」や「約束」を引き継ぐことも多いのが実状です。
価値のある会社なら再建型を選ぶことも増えていますので、会社の大小だけでなく、会社の価値にも注目しないといけませんね。
しかし、そんなことを言っていては「家づくり」を始められませんので、どのようなリスクがあるかを理解して、自分に合った住宅会社を選ぶことが賢い選択だと思います。
最後に、保証期間といっても「クロス剥がれは2年」や「傷については保証なし」など部位によって様々です。
住宅会社によっては「アフターサービス基準書」と呼ばれる部位ごとの保証期間を記入した書類が用意されていますので、必ず確認するようにして下さい。
※基準書が無い場合は、書面で保証期間を示してもらえるよう交渉しましょう。
ハウスメーカーの中には「10年保証」や「20年保証」を売りにしていることもありますが、「定期的に有料点検を受ける」や「定期的なメンテナンスを指定工事業者で行う」などの条件が付いていることがほとんどなので、こちらの確認も忘れないで下さい。
※安心感はありますが、予想以上に後々費用がかかることがあるので注意が必要です。
家づくりを失敗しない秘訣は、たくさんの住宅会社の情報に触れておくこと。
手軽にできる注文住宅の情報収集法についても解説してます^^