■ 家づくりに関する保証やアフターサービスについて知りたい人
■ 家づくりで失敗や後悔したくない人
しみゆうさん。
主人に住宅会社選びの話をしたら・・「工務店は将来が心配だから・・大手のハウスメーカーが良いんじゃない。」って言うんです。
どうしましょう?
確かに、ご主人のように住宅会社の将来を心配される方は多いですね。
ですが、「工務店だから心配」「大手だから安心」と言うのは少し違うかもしれませんよ。
えっ!
大手のハウスメーカーの方が安心じゃないんですか?
数年単位では大手の方が安心かもしれませんが、マイホームには20年30年もっと長い期間住み続けますよね。
将来的なことを考えると、一概に大手の住宅会社だから倒産しないとは言い切れませんよ。
大資本の大手住宅会社だからと言って安心ですか?
こんにちは、しみゆうです。
住宅会社選びの際に、「大手の住宅会社じゃないと将来的に安心できない。」と言う声を聞くことがあります。
確かに、工務店のような中小の住宅会社よりも、大手ハウスメーカーなどの大資本の住宅会社の方が「保証」や「倒産」の面で安心と思うのでしょう。
ですが、本当にそうでしょうか?
住宅会社に限らず、「会社の平均寿命は25年で、会社が出来てから20年後には半数が倒産している」と言われています。
確かに、大資本の方が20年後に生き残っている可能性は高いかもしれませんが、それほど安心できると言えるのでしょうか。
(あっ!別に中小の住宅会社を勧めている訳ではありません、大資本だから安心という訳では無いと思っているだけです。)
じゃあ、どうすれば良いんですか?
どんな会社も倒産するかもしれないんだから、気にするなってことですか?
そんなに答を急がないで下さい。
まずは、倒産するかしないかより、マイホームに関連する保証のことを知って下さい。
ただ闇雲に怖がっても仕方ありませんよ。
そんなこと言われても・・
住宅会社が倒産したら、何も返ってこないんじゃないんですか。
そんなことはありません。
ずいぶん前に住宅会社の倒産が社会問題になったので、今では様々な救済処置が揃っています。
まずは、代表的なものを知っておいて下さい。
住宅会社が倒産しても保証される救済措置
バブル崩壊後に頻発した住宅会社の倒産などによる多大な被害の救済のために、現在では様々な種類の「法律」や「保険」があります。
しかし、世間的にはあまり知られていないようです。
これからの家づくりのためにも、その代表的なものだけでも知っておいて下さい。
建物引き渡し後の瑕疵の救済措置【住宅瑕疵担保責任保険】
平成12年4月より品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)が施行されました。
その法律の中に、「新築住宅における瑕疵担保期間の10年の義務化」というものがあります。
簡単に言うと、新築住宅を建てる住宅会社は、建物の引渡し日から10年の間に見つかった瑕疵(構造体力上主要な部分・雨水の進入を防止する部分)については「補修」や「賠償金支払い」をしなければいけないことが、法律により義務付けられたんです。
そして、万が一住宅会社が倒産しても「補修」や「賠償金支払い」が出来るように、「保険加入」か「供託」も義務付けられました。
なので、建物引渡しから10年後迄に瑕疵が見つかった場合は、仮に住宅会社が倒産していても保険などから救済を受けることが出来ます。
※この救済は義務なので、モグリの住宅会社と契約していない限り大丈夫です。
「住宅瑕疵担保責任保険」についての詳細へは、下記のリンクから移動できます。
債務の弁済のために、金銭などを国家機関に預けること
資金力のある大手住宅会社はこちらを選ぶことが多い
工事中の建物の救済措置【住宅完成保証制度】
この救済は建物の完成後では無く、住宅会社と請負契約を行ってから建物の引渡しが終わる迄に不慮の事態で工事が中断した場合に受けることが出来る救済です。
基本的に、工事業者が変わる事によって増加した工事費用を保証してくれるのですが、保険タイプによっては支払い過ぎた工事費用(限度額あり)も保証してくれるものもあります。
なので、マイホームの建築中に住宅会社の倒産などにより工事が中断しても、一定の範囲で救済を受けることが出来るんです。
※住宅完成保証制度は義務では無いので、加入しているか確認が必要です。
それと、全ての住宅会社が住宅完成保証制度に加入できる訳ではありません。
一定の規準に達していない住宅会社では加入することが出来ないので、契約前に忘れずに確認しましょう。
※住宅完成保証制度に加入できない住宅会社との契約は、余程のことが無い限りおススメ出来ません。
「住宅完成保証制度」についての詳細へは、下記のリンクから移動できます。
土地の地盤による不具合の救済措置【地盤保証制度】
品確法の定める「新築住宅における瑕疵担保期間の10年の義務化」では救済出来ないのですが、一度起きてしまうと莫大な被害を受けてしまう瑕疵があります。
それは、地盤の原因によって起こる瑕疵です。
もし、地盤の強度が足りなくて地盤沈下が起こってしまうとマイホームが傾いて住めなくなってしまうかもしれません。
そんな地盤が原因の瑕疵を救済するためには、地盤保証制度と言うものがあります。
この地盤保証制度には、「建物引渡し後10年間・20年間など」や「全額保証・一部保証」と様々な種類があります。
それに、この保証は住宅会社が扱っているのでは無く、「地盤調査」や「地盤改良」を施工する業者が扱っているので、施工する業者によって保証内容が変わってしまうんです。
地盤保証制度の加入も義務化されていませんので、詳しいことは住宅会社に確認してみましょう。
へ~、こんなにたくさんの救済措置があるんですね。
知りませんでした。
意外と知られていませんが、
これらの保証は万が一住宅会社が倒産しても受けることが出来るので、必ず「加入の可否」や「保証の内容」を確認するようにして下さい。
でも住宅会社が倒産したら、アフターサービスは無くなっちゃうんですよね。
主人はそれも心配してるみたいなんですよね~
確かに、住宅会社が倒産した後のアフターサービスを心配する方も多いですね。
でも、全てのアフターサービスが無くなってしまう訳でもありませんよ。
住宅会社が倒産した後のアフターサービスについて
マイホームに住み始めてからのアフターサービスには、「保証期間」と「定期点検」の2つがあります。
では、住宅会社が倒産した後、それぞれがどうなるかを見てみましょう。
保証期間・・商品の不具合を無償で修理する期間
建物に保証があるといっても、全ての保証を住宅会社が行っている訳ではありません。
- 「建物の構造部分の欠陥」と「雨による被害」・・住宅会社が倒産しても、建物引渡し後10年間は品確法による救済措置が受けられる
- 設備機器などのメーカー保証があるもの・・住宅会社もほとんどの場合はメーカー保証に頼っているだけなので、住宅会社が倒産してもメーカーが保障してくれる
- 上記以外のもの・・この部分は住宅会社が倒産すると保証は無くなりますが、無償で修理してくれるのは「故意によるものでは無く、自然に本来の能力が発揮できなくなった部分」に限定される
それと注意して欲しいのが、3つ目の保証の「範囲」や「期間」については住宅会社に任されているので確認する必要があります。
※住宅会社によっては自社保証の「範囲」や「期間」が記載されたアフター基準書がありますので確認してみましょう。
※アフター基準書が無い場合は、出来るだけ書面でもらえるように交渉しましょう。
定期点検・・一定期間経過後に点検を行うこと
残念ながら、建物引渡し後の定期点検については、住宅会社が倒産してしまうと受けることが出来ません。
しかし、定期点検といってもほとんどの場合が、専門の担当者が点検を行ってくれる訳ではないんです。
多くの住宅会社は「自己申告制」を取り入れているので、あなたが気が付かなかった部分の不具合は見逃してしまうことになってしまうのです。
「アフターサービス」についての詳細へは、下記のリンクから移動できます。
知識を持ってピッタリの住宅会社を選ぼうーまとめ
そうなんですね。
私が思っていたより、住宅会社が保障してくれる部分って少ないんですね。
やっぱり意外に思いましたか。
ほとんどの人が、実際の住宅会社の補償範囲を知らないんですよね。
そして、実状を知らずに不安を感じているんです。
確かに、リスクが無いわけじゃないけど、
住宅会社選びに、それほど将来の保証を重要視しないで良いかもしれませんね。
さっそく、主人に話してみます。
そうですね。
せっかくの家づくりなんですから、しっかり理解したうえで話し合って決めると良いと思いますよ。
正しい知識によって、住宅会社選びの優先順位が変わることもありますからね。
このように、住宅会社が倒産した後の「保証」や「アフターサービス」の実状を知れば、「大手ハウスメーカーじゃないと将来が不安」とは、一概に言えないのではないでしょうか。
たくさんの家づくりをした人の話を聞いて思うのですが、
知識や情報集が足りないから、「大手なら大丈夫」と自分に言い聞かせている人が多いように感じます。
勘違いしないで下さいね。
大手の住宅会社を選ばない方が良いと言っている訳ではありません。
「何となく心配だから・・」と言った理由で、住宅会社の選択範囲を狭めてしまうのは勿体無いと思うんです。
もっと広い視野で住宅会社を探せば、今より更に、あなたにピッタリな住宅会社が見つかるかもしれません。
せっかく家づくりをするのですから「何となく・・」では無く、しっかりと情報収集を行ってから、納得のいく家づくりを行って下さい。
そうしないと、失敗や後悔をするかもしれませんよ。
手始めは、注文住宅カタログでの比較がオススメ。
効率的な注文住宅の情報収集法についても紹介しています^^
■ マイホーム建設中の保険を知り、必要と判断すれば加入する
■ 「何となく・・」では無く、信頼できる情報を揃えてから物事を判断する